【既報関連】9日未明にリオ市西部タクアラのマクドナルドで起きた、消防士による銃撃事件被害者のマテウス・カルヴァーリョさん(21)が18日に退院した。
だが、弾丸は背骨に食い込んだまま。銃弾によって傷ついた腎臓を片方摘出した上、人工肛門をつける必要が生じ、これまでのような一人暮らしはおろか、大学に進んで獣医になりたいという夢も絶たれたと22日付G1サイトなどが報じている。
事の発端は、ドライブスルーで注文した客(消防士)が注文の最後になって割引クーポンを出したことだ。クーポンは注文前に出さねばならず、店員から「今回は使えない」と断られた事に激怒した。
その消防士は車から降り、マテウスさんに暴行を加えた上、銃をもって店内に侵入し、至近距離から発砲。腹部に被弾して倒れたマテウスさんに助けの手を差し伸ばそうともせず、友人と共に車に乗り込むとそのまま立ち去った。
他方、病院に運ばれたマテウスさんは緊急手術を受けて一命を取り留めたが、至近距離から打たれた事で生じた火傷の他、左側の腎臓と大腸、背骨に損傷を受けた。
マテウスさんは事件が起きるまで一人暮らしをしており、働きながらお金を貯め、大学に行って獣医になろうとしていた。
だが、たった4レアル(約105円)の割引クーポンが引き起こした数分間の出来事で、腎臓摘出に人工肛門装着、歩行も困難になるという劇的な変化に見舞われた。
現在は退院したものの、一人ではトイレにも行けないなど、身の回りの事もままならないため、おばと一緒に住んでいる。また、事件の前までは手が届きそうだった獣医への夢は見果てぬ夢となってしまった。
なお、マテウスさんを銃撃した消防士のパウロ・セーザル・デ・ソウザ・アルブケルケ容疑者には、逮捕令状が出た。市警警部が16日に病院で行った事情聴取や、事件当日、同容疑者を追って店内に入り、一部始終を目撃していた友人の証言などから、発砲はアクシデントなどではなかった事が確認されたためだ。
同容疑者はマテウスさんが退院してからも逃亡を続けていたが、事件から10日余り経った20日に警察に出頭して逮捕。同容疑者所有のメルセデス車も没収された。
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