ブラジルにおける万葉集研究の第一人者・脇坂ジェニーさんが19日、亡くなった。行年96歳。同日、サンパウロ州イタペセリカ・デ・セーラ市のホルト・ダ・パス火葬場にて火葬された。
脇坂さんは、サンパウロ州新報の社主・香山(こうやま)六郎の次女として1926年12月7日、サンパウロ州バウルー市で生まれた。45年にサンパウロ市の赤間裁縫女学院を卒業。同年、同学院小学4年生担当の教員となった。1971年、サンパウロ大学文学部東洋学科日本語日本文学講座に進学。1974年に同大学の教員となる。
同年、静岡女子大学より客員教授として赴任した原口裕さんの万葉集の講義で初めて万葉集に接して以来、万葉集に関する研究を重ねた。82年から正式にサンパウロ大学教授となり、日本語教師及び翻訳者の養成、日本語と日本文学の普及のため、数々の作品の出版と翻訳に携わった。
その他、Michaelis出版の日葡辞書の編集にも参加。96年まで学部教授、その後は大学院教授を6年ほど務め、退職した。
脇坂さんの活動に対して、2016年には日本政府より瑞宝双光章が贈られている。
脇坂さんの初七日ミサは26日(木)18時から、サンパウロ市のノッサ・センニョーラ・デ・サルバドール(クルス・トルタ)教会(Paróquia Nossa Senhora do Salvador (Cruz Torta), Rua: Frederico Hermann Júnior, 105, Alto de Pinheiros)で執り行われる。