サンパウロ州保安局が25日に発表したところによると、サンパウロ州では4月に強盗が昨年同月比で14・9%、窃盗が37・8%増え、第1四半期に見られた犯罪増加傾向が続いている事が明らかになった。ただしコロナ禍前の水準またはそれ以下だと25、26日付現地紙、サイトが報じた。
暴力や脅迫を伴う盗み(強盗)は1万9215件で、昨年同月比で14・9%増えたが、19年4月の2万780件は7・53%下回った。暴力や脅迫は伴わない盗み(窃盗)は3万2479件が4万4760件にと37・8%増え、19年の4万4604件とほぼ同水準となった。
最近の強盗事件は携帯電話を狙い、PIXで金も盗む例が増えており、携帯電話を狙った事件は65・44%で、昨年4月の61・86%を上回った。
殺人事件の犠牲者は229人から237人にと3・5%、強盗殺人の犠牲者は13人から16人にと23%増えた。19年4月の殺人事件の犠牲者は262人、強盗殺人の方は16人だった。
ただ、銃を携行している犯罪者も増えており、サンパウロ市で起きた携帯電話狙いの強盗が恋人を守ろうとした被害者を射殺した事件や、学校の前で子供に手を出そうとしたのを見て飛び出した親が射殺された事件のように、強盗事件が強盗殺人に変わる可能性は大だ。
強姦事件は915件が980件にと7・1%増加。19年4月は現在より3・7%少ないから、こちらはパンデミック前の水準を超えている。
サンパウロ市だけを見ると、強盗は1万1007件で17・5%増、窃盗は1万8434件で54・8%増だった。19年は強盗が約1万1100件、窃盗が約1万8700件だから、ほぼ同水準といえる。
殺人事件の犠牲者は58人から47人に19%減った。19年の犠牲者は59人で昨年と同水準だった。強盗殺人の犠牲者は4人で昨年と同じ。19年の犠牲者は3人だった。
サンパウロ市では25日も少なくとも2件の刺傷事件が起きたが、その内の1件は強盗によるものだった。