《ブラジル》大統領選支持率調査=ルーラが一次投票で圧勝か=ボルソナロに21%P差=「第3の候補」存在感なし

左からルーラ、ボルソナロ、シロ、テベテ、ビバール氏(Twitter)

 26日、ダッタフォーリャの最新の世論調査の結果が発表され、ルーラ元大統領(労働者党・PT)が支持率を48%(有効投票では53%)に伸ばし、今選挙をやれば一次投票で圧勝する可能性が高まっていることが判明した。ボルソナロ大統領(自由党・PL)の支持率は27%で2位。老舗政党らによる「第3の候補」には支持が集まっていない。26、27日付現地紙、サイトが報じている。
 今回は25、26日に全国181市の2556人を対象に行われた。今回は、当初「第3の候補」と目されつつも、大統領選出馬を断念したセルジオ・モロ氏(ウニオン)とジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)の2人を外して行われた最初の調査だ。
 1位のルーラ氏は支持率を3月の43%から一気に5%ポイント(P)上げた。白票などを除いた有効票では54%で、一次投票で勝てる数字となった。
 一方、3月末に同じ保守派のモロ氏が断念したことで、4月に行われた他の調査では票の伸びが報じられていた大統領は、3月26%から27%への微増に止まった。5月に入ってからは票の伸びが止まっている。
 3位のシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)は7%の支持を得たが、それ以下の候補はかなり差がついており、4位のアンドレ・ジャノーネス氏(アヴァンテ)が2%。PSDB、民主運動(MDB)、シダダニアの統一候補が決定的で5位となったシモーネ・テベテ氏(MDB)も2%だった。
 6位はパブロ・マルサル氏(社会秩序共和党・PROS)、7位はヴェラ・ルシア氏(社会主義労働者党統一党・PSTU)で共に1%の支持。党移籍したモロ氏の出馬が内部で反対され、党首自らが出馬宣言したルシアノ・ビバール氏(ウニオン)は1%未満で、テベテ氏と共にメディアが盛り上げようとしている「第3の候補」が国民に響いてないことを印象付けた。
 ルーラ氏は女性(49%)、16〜24歳の若者(58%)、北東部(62%)、黒人(57%)の支持が圧倒的だ。低所得者層でも過半数以上の支持があり、ボルソナロ氏がはじめた社会福祉政策「アウシリオ・ブラジル」の受給者の間でも59%がルーラ氏を支持。ボルソナロ氏の支持は20%しかない。
 ボルソナロ氏への支持が強いのは高所得者層や企業家だが、有権者全体で見ると少数だ。ボルソナロ氏が支持基盤としたい福音派でも、同氏支持が39%、ルーラ氏が36%と僅差に止まった。一方、カトリック教徒ではルーラ氏が54%で、ボルソナロ氏の21%を凌駕している。
 決選投票のシミュレーションでは、ルーラ氏がボルソナロ氏に58%対34%で勝つ見込みだ。ボルソナロ氏は相手がシロ・ゴメス氏でも36%対52%で敗れるようだ。
 ボルソナロ氏は「絶対に投票しない」という拒絶率が過半数の54%に達し、票が伸びにくくなっている。一方のルーラ氏は拒絶率が意外に33%と低く、候補者の名前を見せずに投票予定者をたずねた場合は、「ルーラ氏を支持する」と答える人が38%に増えている。

★2022年5月20日《ブラジル》ルーラが21歳年下と3度目の結婚=刑務所面会で親交深め同居へ=選挙活動にはずみ?
★2022年5月11日《ブラジル》ルーラ「お前は落選逮捕が怖いだけ」 ボルソナロ大統領の電子投票攻撃を痛烈批判=「お前に残された任期わずか」とも明言
★2022年5月6日《ブラジル》ルーラ元大統領が米タイム誌で「ゼレンスキーにも責任」発言=「テレビに出るために周囲を戦争に巻き込まないで」とも

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