《サンパウロ市》大気汚染は22年間も基準以上=昨年は1カ所も合格点なし

サンパウロ市の大気の状態は22年間WHOの基準を超えたままと報じる26日付G1サイトの記事の一部

 エネルギー環境研究所(Iema)が26日、サンパウロ市の大気汚染状況は、22年間も、世界保健機関(WHO)が定めた適正基準よりも悪い状態が続いていると発表したと26、27日付現地サイトが報じた。
 Iemaによると、サンパウロ市内ではWHOの基準の約4倍の汚染物質が検出されたところも複数カ所ある上、昨年は全ての観測点でWHOが定めた適正値上限より悪かったという。WHOの定める基準はMP2・5~10の粒子状物質とオゾン(O3)、二酸化窒素(NO2)の三つの値からなる。MP2・5は、大きさが2・5マイクロメートル(1ミリの千分の1)以下の微小粒子物質をさす。
 微小粒子物質の大半は排気ガスの形で吐き出され、オゾンは燃料が太陽放射を受けた時に大気中で起きる化学反応によって生じる。このため、晴れた日はオゾン濃度が高くなりやすい。二酸化窒素もガソリンやディーゼル油といった化石燃料を燃やすと発生する。
 Iemaの分析は、2000~21年のサンパウロ州環境浄化技術公社(Cetesb)大気の質情報システム(Qualar)のデータを基にして行われた。
 Cetesbでは、WHOの基準は広範囲にわたって更新されているが、推奨事項であり、法的価値はないとしているが、それと同時に、米国はWHOの基準を全面的に採用しており、1月からは昨年改定された基準を適正基準としていると語った。
 Iemaも、WHOの基準そのものを環境法に定める基準とする必要はないとしているが、多くの国の政府はWHOの基準を基に目標値を定めている事も認めた。
 サンパウロ市で特に目立つのは微小粒子物質で、マルジナル・チエテでのMP2・5は、1立方米あたり5マイクログラム(1グラムの100万分の1)未満という基準に対して19マイクログラムだった。最も少ないピコ・ド・ジャラグアでも11マイクログラムだった。

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