【既報関連】23日から強い雨や風による被害が出ていた北東部で、暴風雨や洪水、土砂崩れその他の被害が拡大し、特にペルナンブコ州の死者は30日昼過ぎの段階で91人を超えたと30日付現地サイトが報じた。
ペルナンブコ州の状況は水害が報じられている北東部5州の中でもより深刻で、29日には保健相、市民相、観光相ら、30日にはボルソナロ大統領や地域開発相、法務相、連邦貯蓄銀行総裁らも現地を視察し、緊急支援などについて語った。
ペルナンブコ州での被害はレシフェ大都市圏中心に広がっており、25日に起きた土砂崩れによるオリンダ市での死者以降、犠牲者が増え続け、30日正午発表の死者は91人、行方不明者は26人と報じられている。
被害が集中しているのはジャボアタン・ドス・グアララペス市との市境にあるレシフェ市ジャルジン・モンテ・ヴェルデ区で、28日の土砂崩れだけで20人が死亡。行方不明者の捜索も続いている。また、カペリーニャ区、カマラジベ区、ジャボアタン市などでも土砂崩れによる死者や不明者が出ている。
遺体回収や不明者の捜索は、市民や軍兵、ペルナンブコ州や他州から派遣された消防士などの手で行われている。
ジャボアタン市防災局は30日朝、「雨が止まない上、土砂が大量の雨を含んでいるため、土砂災害再発の可能性は非常に高く、丘の上部にある家は全て立ち入り禁止にした」と語った。
同州ではレシフェ、オリンダ、ジャボアタン、モレノ、マカパラナなどの14市が非常事態を宣言。63市が状況を観察中だ。30日昼過ぎの発表によると、浸水や土砂崩れで避難所に退避中の人も5千人を超えた。
大統領は上空視察直後の記者会見で、被災市での救助活動やインフラなどの緊急工事などに1億レアル支援を約束。被災地住民には勤続期間保障基金(FGTS)の引き出しなども認められた。
大統領は28日にもアラゴアス州を視察し、13市を非常事態と認定。被害がより深刻な2市には250万レアルを拠出と発表したが、対象自治体名は語らなかった。同州では3人が死亡し、約1万人が親戚や友人宅、避難所に退避している。
北東部では北大河、パライバ、セルジッペの各州でも被害が出ている。同地域の雨脚は少し弱まるが、雨そのものは続く見込みだ。
なお、南部や南東部の一部では前線接近による強い雨や気温低下が報告されており、要警戒だ。
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