《ブラジル》保健省が青少年の補強接種許可=新規感染者2万人/日超受け

新型コロナ感染者の週毎の推移(保健省公式サイトより)

 保健省が27日、新型コロナの補強接種の対象に12~17歳の青少年を加える方針を明らかにし、サンパウロ市やリオ市などの8州都では30日から同年齢層への補強接種を始めると27~30日付現地サイトが報じた。
 今回の措置はサンパウロ市などの要請に応えたもので、2回目の接種またはヤンセン社製ワクチンでの1回目の接種から4カ月以上経った青少年は、ファイザー社製ワクチンまたはコロナバックによる補強接種を受ける事ができる。ただし、基礎疾患がある、臓器移植後などの理由で免疫力が特に低い人にはファイザー社製をとの指示が出ている。
 保健省担当者は12~17歳の接種完了者への補強接種許可と共に、60歳以上で1回目の補強接種から4カ月経っている人への2回目の補強接種を行う事や、接種未完了者が2回目の接種を受ける事も勧めた。
 これは、ワクチン接種の進展率が落ちている事と、新型コロナの感染が再び拡大する傾向を見せている事が原因だ。

新型コロナ死者の週毎の推移(保健省公式サイトより)

 5月15~21日(感染学上の第20週)の新型コロナの感染者は、保健省のサイトに異常が生じた事などもあり、前週比で21・9%減少したが、22~28日(第21週)は前週比で72・8%増、前々週比でも35・0%増の16万6777人(1日平均2万3825人)だった。7日間平均は27日に2万2676人となり、4月14日の2万39人以来の2万人超えを記録。感染者の7日間平均は4月24~30日(感染学上の第17週)以降の5週間で4回、前週比増が起きている。
 27日からは観察中の患者数も30万人を超えており、入院者数や重症急性呼吸器症候群(SARS)に占める新型コロナ感染者の割合、検査での新型コロナ陽性率の増加といった報道と共に、20日から流れ始めた第4の波発生の可能性を警告する報道を思い起こさせる動きといえる。
 死者も7日間平均が120人前後に増え、5週間中3回、前週比増を記録している。22~28日(第21週)は前週比で31・6%、前々週比でも15・7%増の863人で増加傾向にある。

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