《ブラジル》ペルナンブコ州=水害による死者106人に=レシフェ市は6月祭りを中止

民家の裏手のがけで起きた土砂崩れの一例(TV Brasil)

 【既報関連】5月23日から続く強い雨で甚大な被害が出ているペルナンブコ州では、水害による死者が5月31日午後4時時半までに106人に増え、避難所に身を寄せる人も6千人を超えた。現状を加味したレシフェ市長は5月30日、6月祭りを中止して、そのための資金を被災者の支援に当てる事を決めたと5月30、31日付現地紙、サイトが報じた。
 ペルナンブコ州での死者数は、5月25日から31日午後4時半までのもので、同時点での行方不明者は10人、家を失った人達は6198人と報じられている。行方不明者の内8人は土砂災害で生き埋めになった人達で、残る2人は濁流にのまれた。
 同州での救出・捜索作業はレシフェ、ジャボアタン・ドス・グアララペス、カマラジベ、パウリスタの4市6カ所にある土砂崩れ(地滑り)発生カ所を中心に行われている。
 救出作業は被災者の家族を含む住民や4州の消防士、陸海軍の兵士、軍警、市警、市警備隊員が行っており、市清掃局職員なども支援している。

土砂災害に襲われたレシフェ市ジャルジン・モンテ・ヴェルデ区で(5月31日付G1サイトの記事の一部)

 犠牲者の中には乳幼児も含まれており、家屋ごと土砂に潰され、家族全員が亡くなった世帯や、親戚縁者14人を亡くしたが、墓地が足りず、別々の墓地に埋葬しなければならないという人もいる。
 予報によれば、レシフェ大都市圏や雑木林に覆われた地区での雨は3日まで続くが、雨足は少し落ちると見られている。だが、土地は既に大量の水分を含んでおり、土砂災害が続発する危険性は依然として高い。
 レシフェ市のジョアン・カンポス市長は5月30日にSNSで、サンジョアン、サンペドロといった伝統的な日程を含む6月祭り全体をキャンセルし、イベント用の資金1500万レアルを水害でより大きな被害を受けた被災者の支援に向ける意向を表明した。
 なお、昨年12月以降に起きた全国での水害の犠牲者は、少なくとも522人を数えている。

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