最近、日系社会の偉人の銅像の話題ばかりで恐縮だが、5月23日、サンパウロ市リベルダーデ区のラルゴ・ダ・ポルボラ公園の扉が開いていたので、中に入ったところ、盗まれたと聞いていた平野運平像があったことに驚いた。一瞬、「盗まれた平野像が戻ってきたのか」と思ったが、確認のためにブラジル静岡県人会(川崎エレーナ会長)に電話した。
川崎会長の話によると、2019年11月頃に盗難が判明した平野像は、同年6月2日に平野運平没後100周年を記念して、サンパウロ州カフェランジアの平野農村文化体育協会と協同でサンパウロ市カンブシ区エスタード大通り沿いの平野運平広場に建立していたものだという。
一方、ラルゴ・ダ・ポルボラ公園に建立されている平野像も2019年6月15日に、同公園内にある「移民の祖」水野龍(りょう)の像とともに建立。何と、平野像は3年前当時、2体が同時期に造られていたことを恥ずかしながら今回の確認作業によって改めて知った次第。
川崎会長によると、数カ月前に平野農村文化体育協会関係者からの連絡で、「ラルゴ・ダ・ポルボラ公園の平野像がかなり傷つけられている」ことが判明し、ブラジル静岡県人会前会長の原長門(はら・ながと)氏が中心となり、修理の準備を進めているところだという。
記者が撮影したラルゴ・ダ・ポルボラ公園内の平野像は確かに、胸部と台座部分が剝(は)げ落ち、かなり傷つけられていた。
川崎会長は「毎日、(ラルゴ・ダ・ポルボラ)公園の横を通るけど、中に入って見るわけではないので、平野像が傷つけられていることは平野農村文化体育協会からの連絡で初めて知りました。平野像が傷つけられたのは、誰かが盗むために胸像の金属性を確かめるためなのかも」と憂慮している。
ちなみに、同公園にある水野像と宮﨑八郎像は5月23日現在、無事だった。(松)