《ブラジル》5月から新型コロナ感染者や入院者が増加=今のところ死者数に増加傾向なし

補強接種も含めた加速化が望まれるワクチン接種(Prefeitura de Jundiai)

 【既報関連】新型コロナの感染者や入院者の増加傾向が続く中、サンパウロ州の保健委員会が報告されていない感染者が相当数いる可能性を指摘し、教室や事務所、映画館などの閉鎖空間でのマスク着用義務復活を推奨したと5月31日、1日付現地サイトが報じた。
 サンパウロ州の場合、5月1日現在の入院者の平均は170人/日だったが、5月31日は404人/日に増えている。同州での入院者は2月以降徐々に減少し、4月の平均の146人/日は新型コロナのパンデミック開始以来、最低だった。
 だが、5月はこの減少傾向が止まった。同州の入院者のピークは第2波の最中の昨年3月の3381人/日で、ワクチン接種が始まった事で減少した後、オミクロン株による第3波が到来。1月の入院者は1521人/日に増えていた。
 感染者の数は、5月15~21日の1万8353人(2622人/日)が、翌週は3万3810人(4830人/日)に増加した。だが、保健局や保健委員会は、薬局などで行った検査で陽性だったが報告されていない例などがある可能性を指摘。実数はもっと多いと見ている。
 ただし、死者の数は39人/日で増加傾向は見せていない。この傾向は全国的なもので、5月の死者3179人は、コロナ禍で死者が出始めた2020年4月の201人を除けば、最も少ない。
 だが、5月の月間感染者57万802人は昨年12月の19万3062人の3倍弱で、4月の50万341人より増えている。
 感染者が前週比増を記録し始めたのは4月24~30日の週からで、それ以降の5週中4週で前週比増が起きた事は既に報じたが、5月29日以降も感染者の7日間平均は2万3194人、2万4809人、2万6032人と増え続けている。
 他方、5月29日以降の死者の平均は118人、121人、110人で、大きな動きはない。
 サンパウロ州保健委員会によるマスク着用義務復活推奨は着用の監視や懲罰適用などが困難なため、州保健局はマスク着用義務を課すか否かは各市の判断に委ねると発表。サンパウロ市は既に、閉鎖空間での着用を義務化する事を発表済みだ。

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