《リオ州》軍警の制服にカメラ装着開始=警官による死者削減は可能か

リオ州でも軍警の制服へのカメラ装着開始と報じる5月30日付G1サイトの記事の一部

 5月24日にリオ市ヴィラ・クルゼイロで起きた、警官隊と犯罪組織との銃撃戦で23人が死亡した事件の記憶も覚めやらぬ中、リオ州のクラウジオ・カストロ知事が最高裁のエジソン・ファキン判事と会い、最高裁による、同州内での警官のオペレーションの規制について会談を行ったと1日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 5月24日のオペレーションは軍警特殊作戦実行部隊(Bope)と連邦警察、連邦道路警察の共同作戦で、州内外から来て同地区に隠れていた犯罪組織の大物達が列をなして移動しようとしているとの情報を得たBopeや道路警察の警官が同地区に向かったところ、犯罪者から銃撃されたため、緊急作戦を行ったと説明されている。
 だが、流れ弾で即死した一般市民を含め、23人という大量の死者が出た事や、犯罪組織の大物達は逮捕されていない事などで、警官による粛清との見方も広がった。
 同知事は事件後も、押収された大量の武器などが作戦の正当性の証として警官隊の活動を擁護したが、同州の警官による死者の多さは他州をしのいでおり、警官による死者削減への取り組みを求める声が高まっている。
 1日の会談でも、警官による死者削減への取り組みなどについて話し合われ、会談後、60日以内に警官による死者削減のための新計画を提示すると同知事が述べた。
 だが、同知事はこの時も、ヴィラ・クルゼイロでの出来事は重装備した犯罪者が列をなして同地区から出て行こうとしていたために起きたものとし、警官による大量殺人という見解を否定した。
 ファキン判事は、警官による死者削減策に向けた最高裁の決定順守は大変かも知れない事を認めつつ、「最低限の努力はするべき」と強調した。
 最高裁は一昨年から、同州警察のオペレーション規制のために数々な決定を行い、コミュニティに介入する場合は警察の活動を規制する外部機関である検察に連絡を行う事やヘリコプターの使用禁止などを定めてきた。
 ファキン判事は先週、リオ州政府が警察のオペレーションでの死亡率を下げるための計画を作成する際は、ブラジル弁護士協会(OAB)や司法支援局のような機関の意見を求めるよう定めた。
 ファキン判事は、脅迫を受けているとされる、司法支援局の人権問題担当者の保護も求めた。
 リオ州では会談直前の5月30日に、録画機能を持つ携帯カメラを軍警の制服に装着し始めた。第一段階の装着対象は、ボタフォゴ、メイエル、チジュッカ、サンクリストヴァン、オラリア、コパカバーナ、イーリャ・ド・ゴヴェルナドール、レブロンの8大隊で巡邏活動を行う軍警と、ラランジェイラスにある軍警の第1独立会社だ。
 同州軍警のルイス・エンリケ・マリーニョ・ピーレス氏は制服へのカメラ導入を祝う式典で、「この装置は誰かを罰し、監視するためのものではなく、我々を守るためのものだ。カメラは各作戦の担当者や仕事と社会を守る」と語った。
 同氏は、カメラ使用で軍警や社会のあり方も変わるとし、警官の行動を記録する装置の導入を長年望んでいた事も明らかにした。
 カストロ知事は、従来は不可解な事も多かった治安関係者が犯した可能性のあるミスに関する疑問解明にもカメラが使えるとし、警官が正しかった事を示すための発展的過程の一部とした。
 巡邏活動時用カメラは2万1千個購入された。同知事は同式典で、「カメラ導入で成長し、前進したと言うのはリオの軍警だ」「私は軍警を信頼している」と明言した。

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