《ブラジル》新型コロナ=50歳以上に4回目の接種=感染者数3月の水準に戻る=学校も遠隔授業に逆戻り?

2~5月の風邪様患者の原因となったウイルスの種類や数を示すグラフ(ITPS/Divulgação)

 【既報関連】新型コロナの感染状況が悪化しており、4回目のワクチン接種(2回目の補強接種)の対象が50歳以上に広がった。免疫力が特に弱い高齢者には5回目の接種を行うところや、遠隔授業に戻る学校も増えていると2~6日伯字紙、サイトが報じた。
 マルセロ・ケイロガ保健相が4回目のワクチン接種の対象を50歳以上の人と18歳以上の医療従事者に広げると語ったのは2日、保健省が正式に文書を出したのは4日だ。これを受けた自治体の一部は3日から、大半は6日から実際の対象拡大を行っている。
 それまでの4回目の接種対象は60歳以上か、免疫力が特に低い人だった。対象拡大により、補強接種から時間が経ち、抗体の効果が落ちた人の免疫力向上が期待されている。
 今回の決定は、新型コロナの感染者が再び増加に転じ、第4の波出現と囁かれ始めた事や、1日以降の感染者の7日間平均が3万人を超え、感染状況が3月末の水準に戻った事などが原因だ。
 また、南大河州でのオミクロン株のBA1とBA2が結びついた新亜種のXQの症例が25件に増えた事やその他の亜種も全国に拡散している事、急性重症呼吸器症候群(SARS、ポ語ではSRAG)に占める新型コロナ感染者が60%に増えている事、風邪様の症状で検査を受けた人の新型コロナ陽性率が13%から34・3%に高まった事などが報告されている。

感染状況改善のために4回目が認められたワクチン接種(Jose Cruz/Agencia Brasil)

 新型コロナの感染者や入院者の年齢構成の詳細な報告は出ていないが、最近は新型コロナの感染者発生増で遠隔授業を再開する学校が公立、私立の双方で増えている。子供の接種率は大人より低い。
 この事もあり、各自治体では、補強接種の対象拡大と共に、1、2回目の接種や1回目の補強接種を受けていない全年齢層の人への接種も推奨している。
 もちろん、風邪様の症状やSARSはインフルエンザウイルスのように、季節的に増えるウイルスでも起こるため、リオ市ではインフルエンザの予防接種強化策も採用。
 新型コロナの感染拡大でマスク着用を義務化する自治体が増加中だが、その他のウイルスによる感染防止の意味でも、マスク着用や手指の消毒をと呼びかける声が高まっている。

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