ブラジルでは、合法中絶を行う10人中4人が、地元ではなく市外で行っていると、9日付現地サイトが報じている。これは保健省のデータをG1サイトが情報入手法に基づき得たデータでわかったものだ。
それによると、2021年1月から22年2月までにおいて国内で1823件の合法中絶が行われ、そのうち40%にあたる711件が、妊婦の生活する市ではないところで行っていることがわかった。そのうち25人の女性が居住地とは違う州で中絶を行ったという。
また、パラー州では州内陸部のサンタマリア・ダス・バレイラスから州都ベレンまで手術に行くのに430レアルかかっていることも報じられている。この移動の交通費には最高で1200レアルかかったり、移動距離に1千キロを要している場合も存在する。
これは中絶を行える医療機関が限られていることや、中絶に対しての宗教上からの偏見や反発があることが考えられる。
保健省では8日、傘下のサイトのデータから「ブラジルでは合法中絶などは存在せず、それが行われた場合は捜査の対象となる」という文章が発見され、物議を醸している。
実際のところ、ブラジルでは「強姦された場合」「母体に生命の危機がある場合」「胎児が無脳症の場合」に妊娠13週間以内で中絶が可能となっている。国民も65%がそのことを理解しているとのデータも存在する。