コロナ燻るレジストロ市=活動停滞に不安募らす文協=山村氏逝去を惜しむ声

レジストロ日伯文化協会の川尻イリネウ誠会長
レジストロ日伯文化協会の川尻イリネウ誠会長

 聖南西文化体育連盟(UCES)など複数の日系団体で会長職を務めた山村敏明氏が新型コロナウイルスで亡くなってから3カ月が経った。レジストロ日伯文化協会の川尻イリネウ誠会長によれば、山村氏の兄と弟も山村氏と時期を前後して新型コロナウイルスに罹り亡くなったという。川尻会長は「レジストロでは新型コロナにかかる人が急増したため、1日から市条例によって集会でのマスク着用が義務付けられました。コロナの影響で文協の仕事も停滞してしまっています。18、19日には『すし祭り』開催を予定し期待していたのですが、どうなるか分かりません」と暗い表情を浮かべた。
 レジストロ文協は、高齢会員も多く、コロナに対する不安が会の活動の不活発化、停滞化に拍車をかけている。協会運営費の50%は会費収入で、あとの半分はイベントによる収入で賄っている。
 川尻会長は「会員数は最高時300人でしたが、現在は200人程度です。高齢者は会費が無料になりますから、会費を払う人は約100人です。高齢会員の中には年金から資金援助したり、協力してくれる人もいます。年間会費は630レアルですから、単純計算で6万3千レアルの収入となります。今年から200レアル3回の分割払いも考えてます」と財政状況を明かした。
 また、文協活動の停滞について「私はまだ仕事をしており、山村会長の様に、文協の仕事に専念することができません。他の文協でも私の様な人は多いと思います」と文化活動と仕事を両立させることの難しさを語った。

レジストロ文化体育協会のマルコ・アントニオ・C・デ・アンドラーデ会長
レジストロ文化体育協会のマルコ・アントニオ・C・デ・アンドラーデ会長

 レジストロ市の日系団体にはレジストロ文協の他にもレジストロ文化体育協会(ACEL、レジストロ・スポーツ・クラブ)がある。
 ACELは2年前から非日系人のマルコ・アントニオ・C・デ・アンドラーデさんが会長となって運営している。マルコ会長は「山村会長のリーダーとしての存在感は大きかった。体育館の改築も山村会長が、国際協力機構(JICA)の資金協力事業を教えてくれたので実現することができた」と山村氏を偲んだ。
 山村氏はレジストロ文協、ACEL、リベイラ沿岸日系団体連合会(FENIVAR)、姉妹都市友好推進協会などで要職を務めていた。

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