ファッションデザイナー、教師など多彩な顔を持つ日系ブラジル人のキリ・ミヤザキ氏が、米州では初の藍の栽培を始めたと12日付G1サイトなどが報じた。
米州初の藍の栽培地にはサンパウロ州のカンタレイラ山脈とイタペチニンガ山脈の間の土地が選ばれた。
ミヤザキ氏はブラジル生まれだが、17歳の時に父親が家族と共に日本に住む事を決めた。彼女自身はこのアイディアが気に入らなかったが、その後にファッションの勉強をしたくて日本に行った時、自然の素材を使った染色の技術に魅せられたという。
そこで出合ったのが藍で、2017年には再び日本へ行き、藍の産地として知られる徳島の農園で藍の栽培についても学んだ。
以来、ブラジルでも藍を栽培したいと夢見て、生物学者の夫と共に研究を重ね、夢の実現にこぎつけた。日本での藍栽培地は海岸部だが、ミヤザキ氏達は山間の地での栽培に挑戦。困難はあったが、栽培は成功した。
藍を栽培しているのは150平米の小さな土地だが、年2回の収穫が可能で、その葉は染色材料として使われる。
藍は古代から使われている植物で、日本には5世紀頃持ち込まれた。その葉が生む様々な色調の青色は多くの人から好まれ、木綿を使った染物が始まった江戸時代からは広範囲で栽培されるようになった。
ミヤザキ氏を魅了したのも、藍の歴史と藍が持つ豊かな色合いで、藍を研究する内に、日系人としての自分が帰るべき家を見つけたような感覚さえ生じているという。