《ブラジル》アマゾン失踪事件=失踪中の二人の遺体発見?=衣類やカバン等回収の翌日=連警は発見の事実を否定

イタクアイ川を捜索する連邦警察官達(BRUNO KELLY)

 【既報関連】13日朝、5日に消息を絶った英国人ジャーナリストのフィリップス司教とブラジル人の先住民活動家ブルーノ・ペレイラ氏が遺体で見つかったとの報道が現地サイトで流れた。
 フィリップス氏の妻アレッサンドラ・サンパイオ氏は13日朝、遺体発見との知らせを受けた後、連警からの電話で遺体が見つかったが、身元確認のための検死が必要と告げられたという。
 同氏によると、ブラジルの英国大使館(別の報道では英国のブラジル大使館)も英国に住むフィリップス氏の家族に同様の報告を行い、連警の情報を裏付けたという。司教の家族はガーディアン紙にも、遺体は木にくくりつけられていた事や身元確認はこれからである事を知らせている。
 だが、連警は13日朝、所持品は見つかったが、遺体は見つかってないと語っている。
 失踪事件は国内外に知られ、10日には国連や最高裁がブラジル政府に早急な捜索と報告を行うよう要請する事態も生じていた。
 11日以降の捜索は二人が最後に見受けられたアタライア・ド・ノルテの手前のイタクアイ川流域に限定した上、先住民も同行して行われた。
 事態が大きく動いたのは12日夕方で、増水で水に覆われた地域から、二人の衣類や健康保険のカード、ノートブック、書籍などが入ったカバンが回収された。衣類などが入ったカバンは水に覆われた木の幹に縛り付けられていたが、消防が回収。同行した先住民達が、二人が持ち歩いていたものだと認めた。

イタクアイ川を捜索する消防や先住民の船(Cícero Pedrosa Neto/Amazônia Real)

 同水域からはアマリウド・ダ・コスタ・オリヴェイラ容疑者(通称ぺラード)のものと見られるボートも見つかったが、周辺の植生の乱れからボートは牽引されていたと見られているという。
 なお、10日に川に浮かんでいるのが見つかったという臓器らしき肉片や、オリヴェイラ容疑者所有のボートの血痕に関する鑑識の結果は、まだ発表されていない。
 ペレイラ氏は先住民の手で森林伐採などの違法行為を監視するためのプロジェクトに参加しており、オリヴェイラ容疑者を違法行為で告発もしていた。同容疑者は失踪前日もペレイラ氏を脅迫していた。また、フィリップス氏は『どうやってアマゾンを救うか』という本を執筆中だった。

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