俳句会「くろしお句会」の『くろしお句会十五周年記念句集』が5月に刊行された。編集部に同句集を持参した鈴木文子さんは「句会の皆さんの多くは80代、90代。これが最後の句集かもという気持ちで編集されています」と説明。同句集には38人の俳人の写真や経歴、20作ほどの代表作が掲載されている。
同句会は15人ほどで始まり、最盛期には35人の句友が参加したが、現在は25人。最初に集まったメンバーは和歌山県人が多かったことから、同県に縁のある「くろしお」を名乗ることになった。佐藤念腹さんの句会、朝蔭誌、ハチドリ誌、間嶋稲花水さんの句会など様々な流れの俳人が参加している点が特徴だという。
句集には「アマゾンに嫁してなほ聞く虎落笛」(大槻京子)、「世界中に届けと香る花コーヒー」(大野宏江)、「春愁や家族団欒ポ語ばかり」(須賀吐句志)、「風呂恋し南の国の寒波かな」(田中美智子)、「アマゾンの水族館皆熱帯魚」(中川敬子)、「死神の見放しくれし日向ぼこ」(広田ユキ)など興味深い秀作が多々掲載されている。
同句会はパンデミック期間中はネット句会だけだったが、5月からサンパウロ市の山口県人会館に7人ほどが再び集まり、対面で開催するようになった。