ブラジルにおける「日本移民の日」を迎えるに当たり、日系社会の皆様に心からお慶び申し上げます。
ブラジルへの最初の日本人移民を乗せた笠戸丸がサントス港に到着したのが1908年6月18日。110年以上前に日本から遠く離れたブラジルに渡り、今日まで様々な困難を乗り越え、農業を始めとする幅広い分野でブラジル社会の発展に貢献されてきた先人、そしてその意思を継いだ二世、三世、四世、そして新世代の日系人の皆様に改めて敬意を表したいと思います。
私自身も、2013年に外務大臣としてブラジルを訪問しました。ブラジル訪問中に、日系人の皆様と意見交換し、移民の歴史にゆかりのある場所を訪れ、皆様の御活躍を肌で感じました。ブラジル社会に根付かれた先人のお蔭で、ブラジルで柔道、空手といったスポーツや日本食など日本文化が幅広く浸透し、日本を身近に感じられる場所が様々なところにあることに大変感銘を受けました。
日本とブラジルは地理的には離れていますが、その友好関係は年々緊密なものとなっております。この友好関係の土台となっているのは、ブラジルにおける日系社会に対する高い評価と厚い信頼です。日本とブラジルの友好関係の更なる発展のためにも、両国の交流を更に活性化させていきたいと考えています。
新型コロナウイルス感染症の世界的拡大という未曾有の困難に直面する中にあっても、日系人の皆様の絆と熱意により、日系人の連携を強化する活動が継続されていることに敬意を表します。
今年は、ブラジルの様々な都市で、実際に人々が参加しての日本祭りや日本文化イベントが開催され、7月には、3年ぶりにサンパウロ日本祭りが開催されると聞いております。新型コロナの感染が落ち着き、活動も活発になる中で、日本政府としても、引き続き日系社会との更なる連携強化に向けて取り組んでまいります。
末尾となりますが、日本人移住者と日系人の皆様の今後の益々の御活躍、ブラジルにおける日系社会の更なる御発展を心から祈念致します。