【既報関連】アマゾニア州ヴァーレ・ド・ジャヴァリ地区で起きた、英国紙『ザ・ガーディアン』寄稿者のドム・フィリップス氏と国立インディオ保護財団(Funai)元職員のブルーノ・アラウージョ・ペレイラ氏の失踪事件で、15日に回収された遺体は二人のものである事、死因は散弾銃による外傷である事が判明した。19日には二人が使っていたボートも見つかり、残る容疑者の特定と関与などを捜査中と17~20日付現地字紙、サイトが報じた。
遺体の身元は17、18日に二人のものである事が判明。18日には、フィリップス氏は腹部に1発、ペレイラ氏は頭部に1発、胸部に2発、散弾銃を浴びて死亡したとの検死結果も発表された。
アマリウド・ダ・コスタ・オリヴェイラ容疑者(通称ペラード)の供述によると、ペレイラ氏は後方から近づいたボートからの銃撃を受けて倒れたとされている。同氏が受けた銃弾3発が背後からのものかなどは明らかにされていない。
1日朝は、殺害~遺体隠蔽の全てに関与した容疑で16日に逮捕令状が出たが逃亡していたジェフェルソン・ダ・シルヴァ・リマ容疑者(通称ペラード・ダ・ディニャ)が自首。アマリウド・ダ・コスタ・オリヴェイラ容疑者(通称ペラード)の供述では見つからなかったペレイラ氏らのボートは、同容疑者の供述を基に捜索した結果、19日午後、水深20メートルの川底から回収された。
連警は17日に殺害を命じた人物はいないと発表したが、連警や市警は引き続き、命令者の存在や、遺体隠蔽を手伝ったとみられる人物5人を捜査中だ。
容疑者が8人に増えたとの19日の報道前から捜査対象となっているのは、通称コロンビア容疑者だ。同容疑者は密漁の魚や密猟した動物を買い取って売りさばいており、麻薬密売者や政治家との繋がりも疑われている。
犯行の動機も捜査中だが、ペラード容疑者らはペレイラ氏や同氏が訓練していたヴァーレ・ド・ジャヴァリ先住民連合(Unijava)の監視員らから、密漁や密猟、Funaiの施設襲撃その他で告発されていた。
ペレイラ氏やUnijava関係者は頻繁に脅迫を受けており、外国メディアの取材時も名前や顔を出さないよう頼んでいた。Unijava関係者は16日、金採掘や密漁、密猟には政治家も絡んでおり、環境犯罪だけでなく政治犯罪と話したが、当局はそうは見てくれないという。
アウグスト・アラス連邦検察庁長官は19日、アマゾニア州の検察官を30人増員する事と内10人は先住民や環境問題専属とする事を発表した。
だが、先住民や環境に関するFunai職員はこの日、当局の対応の遅れや、地区コーディネーターの大量解任などの反先住民的な言動や対応を繰り返すマルセロ・アウグスト・シャヴィエル・ダ・シルヴァ総裁に対する抗議の意を表明。23日午前10時からは同総裁退任などを求めるストを全国規模で行う予定だ。
★2022年6月18日《ブラジル》アマゾン失踪事件=焼いてバラバラにされた遺体発見=犯人の後ろに誰かいたのか?=高まる現政権への批判の声
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