サンタカタリーナ州で、強姦されて妊娠した11歳の少女に対し、女性判事が中絶を認めなかったことが問題視されている。21日付現地紙、サイトが報じている。
これはサイト「ポルタル・カタリエンセ」「ジ・インターセプト・ブラジル」が20日付で報じて明らかになったものだ。報道によると、当時10歳だった少女が強姦されて妊娠し、中絶を行うはずだったが、同州地裁のジョアナ・リベイロ・ジマー判事が中絶を認めず、少女を保護施設に送ったという。
少女は自分が妊娠したことに気付き、フロリアノーポリスの病院で中絶手術を受けるはずだったが、その時は既に22週目になっていた。強姦による中絶は合法だが、13週目までがその対象となるため、裁判官が手術を認めなかった。
その裁判でジマー判事は中絶を認めなかっただけではなく、少女に対し、「もう少し我慢できないか」「世の中には子供が欲しくても出来ない夫婦がたくさんいる。子供が生まれればその人たちが幸せになる」と語った。また、強姦犯を父親と見なし、「彼は養子に出すことに賛成しているか」などと話したという。
また、保護施設に入れたのは少女を保護するためとしているが、保護施設にいると、中絶を認められても中絶手術を受けられない。
この報道はネット上で話題となり、「子供は母親ではない」「強姦犯は父親ではない」との運動が起きて、ブラジル弁護士会(OAB)が少女の弁護を希望。サンタカタリーナ州検察局も中絶を求めることを示唆した。
21日付現地サイトよると、少女は自分の家に戻ることが認められた。また、中絶許可は有効だが、少女が中絶を行うかは明確にされていない。
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