ブラジルが独立200周年を迎える事を受け、ポルトガルのポルト市が、200年前の9月7日にサンパウロ市のイピランガの丘でブラジルの独立を宣言したドン・ペドロ一世の心臓をブラジルに貸し出す事を承認し、22日付の官報に掲載したと同日付ブラジル国内サイトが報じた。
ドン・ペドロ一世は、ポルトガルではドン・ペドロ4世として知られており、その心臓はホルマリン漬けにした上で、ポルト市にあるカトリック教会に保管されており、公開されたり、持ち出されたりする事は稀だ。
だが、ブラジル大使のジョルジェ・プラッタ氏が、「独立200周年の記念の年だから、ドン・ペドロ一世を顕彰するイベントを行いたい。是非、ブラジルへの持ち出しと展示を許可して欲しい」と正式に申し入れたため、ポルト市の市議会議長であるルイ・モレイラ氏が国外に持ち出す事を認め、同市の官報にも掲載した。
ドン・ペドロ一世の心臓は特別な時以外は公開されておらず、最後に公開されたのは、2015年にドキュメンタリーを作成した時だったという。
国外への持ち出し許可は市と教会の双方から出されているが、死後187年を経た心臓に長距離の旅による損傷などが生じるのを避けるため、どのような方法で運ぶかなど、詳細な打ち合わせが必要となる。また、実際に持ち出す前には法医学研究所の評価が完結していなければならないという。
法医学研究所の評価は既に始まっており、5月31日に5人の鑑識官が5時間かけて観察などを行ったという。だが、運搬方法や展示場所、展示期間などの詳細がまだ話し合われていない事などもあり、貸し出しが承認された22日の時点でも、評価は完結していないという。
ただ、市議会議長と教会が貸し出しを承認したのは法医学研究所の意見書が出たからとの情報もあり、ブラジルで開かれる記念イベントでドン・ペドロ一世の心臓が展示される可能性は高い。
200周年の記念イベントは全国規模で行われ、連邦議会でも式典開催を決めている。
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