米国のサイト「ザ・テイスト・アトラス(The Taste Atlas)」が20日に発表したリストによると、ミナス州カナストラ山脈で作られた手作りチーズが世界的に知られたメーカーの品を抑え、世界一のタイトルを獲得したと24日付テラ・サイトなどが報じた。
ザ・テイスト・アトラスは20日、世界中の消費者が選んだチーズ上位50位までを発表。評価基準などが明らかにされていないものの、カナストラのチーズは50位までのリストで唯一、4・7を超える4・71点で堂々の1位に入った。2~9位が4・6点台、10位以下、50位までが全て4・5点台で、甲乙がつけがたいコンテストであった事がうかがわれる。
この知らせに湧いたミナス州の人々は皆、「ミナスのチーズが美味しい事は誰もが知っている」といったコメントを書き込んだ。だが食の取材を長年手掛け、チーズを専門とするジャーナリストのエドゥアルド・ジラン氏は、国外ではお目にかかる事さえ難しいカナストラチーズが、世界的に知られているメーカーの品々を抑えて世界一に選ばれた事に驚きを隠さない。
ジラン氏は、地元の人達がグループを作って投票した可能性があるとしているが、それでもなお、カナストラのチーズは称賛に値する品だという。
このチーズは手絞りの生牛乳で作られ、木製の棚で熟成させた、職人技が生きている品物で、成熟するにつれてわずかにスパイシーで中程度の硬さ、より適度な味わいが出てくるという。
カナストラのチーズが世界的なコンクールで入賞するのは初めてではない。一例はイヴァイオル(Ivaior)と呼ばれるチーズで、2019年と2021年に「世界のチーズと乳製品ツアー(Mondial du Fromage et des Produits LaitiersdeTours)でスーパーゴールドに選ばれている。
ミナス州の手作りチーズは10の小さな地域で作られている。カナストラはその一つで、他の地域のチーズと同じ製法だが、気候や牧草、高度その他の条件が違うために微妙な差が生まれる。これらの地域でのチーズの製法は、国立歴史美術遺産院(Iphan)によって無形文化財に指定されている。
カナストラ地域のチーズ生産者協会のイゴル・ドウグラス・デ・フレイタス氏は、「我々の製品
やより良い品を届けたいという生産者の仕事がより広く知られるようになった証拠」と喜んだ。
サンロッケ・デ・ミナス市にあるファゼンダ・サンベント・ヴァルジェン・グランデとケイジャリアJ&Cのマリア・アパレシーダ・デ・フレイタス氏とジャディル・ダ・コスタ氏は、「私達の製品が認められた事は、私達だけでなく、全ての生産者にとってとても大切な事」との言葉で喜びを表した。
二人が作るチーズは1日25~28個に限定されており、地元以外では、サンパウロ州とリオ州、サンタカタリーナ州で扱われているという。
同市では毎年、市内の生産者によるコンクールが行われており、二人の作ったチーズは選ばれた五つのチーズの中で4位に入った。入賞はカナストラのチーズの品質を競う地域コンクールへの参加を保証する。これらのコンクールはミナス州の農業拡張・技術支援公社が主催しており、地域コンクールは24日にヴァルジェン・ボニタで開催された。
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