人気女優のクララ・カスターニョ(21)が強姦されて妊娠、出産した上、出産記録を入手した病院の看護師から暴露すると脅されていたことがわかり、波紋を投げかけている。25、26日付現地紙、サイトが報じている。
クララは幼少期からテレビドラマに出演しており、昨年も主演映画が公開されるなど、期待の若手女優の一人。その彼女が強姦によって妊娠し、赤ちゃんを里子に出していたことが判明した。
この報道は本来、クララが望んだことではなく、23、24日に特ダネとして報じられたものだ。それを報じたテレビの女性司会者の一人は彼女の名前を出さず、「21歳の女優が無責任に妊娠し、子供を里子に出した」と批判まで行っていた。
これに対し、クララは25日、「人生で最も苦しい決断だった」との声明を出した。彼女はその声明で「地元でもなく、家族や友人ともかけ離れたところで強姦被害にあった。地獄のような体験だった」と語った。
彼女は被害後、しばらくして気分が悪くなり、病院に行った際に妊娠が発覚。しかも、かなり進行していたという。ブラジルでは強姦被害の場合の中絶は認められているが、妊娠19週までとされている。
彼女はどのような状況で強姦されたかを医師に説明したが、医師は同情する素振りも見せなかったという。
クララはこの数日後に出産。この時点で彼女は子供を養子に出すことを決めていたが、出産の際に彼女は看護師の一人から「この出産記録を公表する」と脅されたという。マスコミによる先行報道が出たのはこの数日後のことだったという。
この報道は週末のネット上で最も話題となり、波紋を広げた。出産を担当した病院や看護師協会はクララに謝罪を表明し、情報漏洩を行った人物の捜査に乗り出すことを約束した。
この報道はブラジルで11歳の強姦された少女の中絶を女性地裁判事が却下したとの報道が物議を醸し、米国最高裁が中絶の合憲性を覆した直後に起こったため、なおのこと注目を集めた。
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