サンパウロ州検察局は27日、サンパウロ州知事選でのボルソナロ大統領の候補、タルシジオ・デ・フレイタス氏(共和者・RP)の登録住所に関する捜査を連邦警察に依頼した。これで違反ということになれば知事選には出馬できず、大統領にとっては痛手となる。27、28日付現地紙、サイトが報じている。
タルシジオ氏がサンパウロ州を選挙区とするための登録住所に問題があることはかねてから報じられており、これまでも多くの捜査依頼が出ていた。それは、サンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポスの賃貸住宅にタルシジオ氏が生活している形跡がなく、選挙裁判所が定める「家族もしくは職業の拠点がある」という条件を満たしていないためだ。同氏の以前の選挙区はリオ州で、現在の拠点は家族、職業ともに連邦直轄区だ。
今回の捜査依頼は、9日に社会主義自由党(PSOL)がサンパウロ州の選挙地裁にこの件で訴えたことが決め手となった。
今回の選挙では選挙区登録に関する審査が厳しく、元法相のセルジオ・モロ氏(ウニオン)が選挙区をパラナ州からサンパウロ州に移そうとしたが、住所をサンパウロ市内のホテルの住所としたため、サンパウロ州の選挙地域裁に1―4の投票結果で却下され、サンパウロ州選挙区からの出馬を断念した経緯がある。こうしたこともあり、タルシジオ氏も違反と判断される可能性があり、楽観視はできない。
タルシジオ氏はボルソナロ政権でインフラ相を務めた上、軍人出身であることから大統領の信頼も厚く、サンパウロ州知事候補に選ばれた。世論調査では、フェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)を追う二番手の座を現知事のロドリゴ・ガルシア氏(民主社会党・PSDB)らと争っている。