連邦政府が27日、7年ぶりの大型改訂を加えた新パスポートを披露したと同日付現地サイトが報じた。
新旅券は10年間有効で、表紙にはブラジル連邦共和国の紋章が復活し、国旗をかたどった模様も入っている。内部には各地域を代表する動植物の絵があり、紫外線をあてると各々の動植物を顕彰する文字や図柄が浮き出るようになっている。
個人情報が入っているページは見開きで、通常のカラー写真や個人情報が入った部分には個人情報の内容を示す文字や数字で作った「影の画像」とも呼ばれる白黒画像、サイン入りのページには網模様のようなパーツを組み合わせた白黒画像が入っている。また、改ざんなどを防ぐため、光沢のあるシートで保護されている。
法務省によると、新旅券は偽造しにくく、より安全だという。発行は独立200周年を記念し、9月からとなる。既に旅券を持っている人は10年間の有効期限が切れた時に作り直せば良い。旅券を作るための経費は現行通りの257・25レアルだが、急を要す場合は334・42レアルかかる。失効旅券を返却しなかった人には追徴料金がかかる。
27日には新しい身分証明書(RG)も紹介されたが、新RGは旅券代わりにはならない。ただし、ブラジル人はメルコスル諸国では旅券が不要なため、同域内ではRGだけで旅行できる。
なお、ブラジルを含む63カ国の国民は、ビザをとらなくても90日間、欧州連合(EU)を含むシェンゲン諸国に滞在できる。だが2023年からは、Etiasと呼ばれるEUビザ免除プログラムに登録する必要が生じる。
Etiasへの登録はインターネットで行う。氏名や生年月日、旅券の種類と顔写真、指紋などを登録し、問題がなければ全ての情報が旅券に内蔵されたチップに記録されるため、入国時も旅券を機械にかけるだけでビザが免除されている事が確認できる。
有効期間は3年間だが、登録時に使った旅券の期限がその前に切れる時は、旅券の有効期限までが有効期間となる。
Etiasは入国審査の際の安全性確保や時間短縮などを目的としており、18歳未満の人と70歳以上の人の登録は無料。それ以外の人は7ユーロを払う必要がある。
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