ブラジルで新型コロナ感染者が確認されてから、2年と4カ月余りが過ぎた。長期にわたるコロナ禍がストレスになっている人が大半だろう。先日行われた米国の南カリフォルニア大学による調査では、「社会的なストレス」が免疫システムを老化させる事がわかったという。
ブラジル保健省は世界保健機関がパンデミック宣言を解除する前に非常事態宣言を解除し、流行第4波の最中に新型コロナ特別対策班を解体した。こうした行政のコロナ対策のあり方への疑問も「社会的なストレス」となり得、免疫の老化を招くとすれば、この調査結果は社会への警告に値する。
「ストレス」が胃潰瘍や喘息、脳血管障害、心臓麻痺といった問題を引き起こす事は良く知られている。ほどよいストレスは緊張感を保つのに良いとも言われるが、その状況をストレスと感じるかは個人差も大きい。だが、病気や免疫システムの老化まで引き起こすような「ストレス」は皆が避けたいのでは?
そしてふと、今回の調査結果と、高齢者は感染やワクチン接種で得た抗体が減るのが早いという調査結果、各種の予防接種の優先グループに感染症患者と接する医療関係者や高齢者が入っている事実は、繋げて考えねばならないのではと考えてしまった。
患者と接する事で感染リスクが高まる医療関係者がストレスに苛まされている事は、パンデミック初期からいわれている。ワクチン接種が進展し、重症化率は減少したとはいえ、職場や学校で感染者が出ればストレスを感じる人も多い。自分自身や家族、友人、知人が罹患したり、それが原因で亡くなる人が出たりすれば、ストレスは更に大きくなる。こうした人達の免疫システムはストレスにより疲弊しているのではないだろうか。
コロナ禍と並行してサル痘の市中感染例も起き始めた。コロナやサル痘対策としても有効なマスク着用や手指消毒、ソーシャル・ディスタンスなどの防疫対策と共に、ストレスを溜め込まず、体や心を老け込ませないような工夫を取り入れるよう呼びかけたい。(み)