《ボリビア》前大統領がボルソナロの亡命受け入れ申し出を拒否

 テロ扇動容疑で実刑に服しているボリビアのヘアニネ・アニェス前大統領が、ボルソナロ大統領から申し出があったブラジルへの亡命を拒否したことがわかった。6月29、30日付現地紙、サイトが報じている。
 アニェス氏は2019年のボリビアの大統領選で、選挙結果に不満を持つ国民をテロに扇動した罪で6月に10年の実刑判決を受けた。このときは、大統領選後に行われた、エヴォ・モラレス大統領(当時)が当選したとの発表までの過程に疑惑が生じ、怒った極右勢力支持派の国民が与党「社会運動」関係者の家に放火したほか、支持母体の先住民を襲うといった行為に出て、命の危険を感じたエヴォ氏がメキシコに亡命する事態となった。
 アニェス氏は上議から昇格した暫定大統領として就任したが、国民の支持が上がらず、やりなおしとなった翌20年の大統領選には出馬せず、エヴォ氏の後継者のアルセ政権下で21年3月から逮捕されていた。
 ボルソナロ大統領は6月26日にアニェス氏をブラジルに亡命させることを名乗り出た。だがアニェス氏は同28日に、「ボルソナロ氏に感謝はするが、国を出る気はない」と、その申し出をツイッターで断った。
 ボルソナロ大統領の申し出はボリビア政府を怒らせたが、その後、アルゼンチン政府に対してもアニェス氏の亡命を助けるよう依頼していたことが判明した。同国のフェルナンデス大統領は6月29日にその依頼の存在を明かし、断ったと正式に表明している。

最新記事