【既報関連】セクシャル・ハラスメントの騒動で6月29日に連邦貯蓄銀行(CAIXA)の頭取を辞任したペドロ・ギマリャンエス氏に、その後も次々とパワー・ハラスメントも含む疑惑が浮上、連邦会計検査院(TCU)が捜査に乗り出す事態となっている。1〜4日付現地紙、サイトが報じている。
ギマリャンエス氏は頭取就任以来、常習化していた女性職員に対するセクハラ行為に対する抗議行動やメディアの曝露報道で辞任に追い込まれたが、6月29日の辞任後も疑惑報道が相次いでいる。
6月30日、コレイオ・ブラジリエンセ紙は同行関係者のワッツアップからギマリャンエス氏の会議での発言内容を入手して報道した。ギマリャンエス氏はそこで、頭取であることを傘に着て、副頭取のセウソ・レオナルド・デルジエ氏をはじめとする役員たちに対し、「納税者番号を全国民に支給しろ。できなければクビだ」「口答えは許さない。命令するのは俺だ。ここには民主主義なんてないんだ。俺が全てを決める」「俺が言ったことをできなければクビだ」など、威嚇的なパワー・ハラスメントが行われていたことが明かされている。
1日にはレコルデ局が、ギマリャンエス氏が違法行為を行い、4倍の役員報酬を得ていた疑惑を報じた。それによると、ギマリャンエス氏は2021年、CAIXAと関係のある少なくとも21の企業の経営審議会に委員として名を連ね、役員報酬を受け取っていた。法律では経営審議会の掛け持ちは二つまでに限られており、本来は5万6千レアルしか受け取れないのに、23万レアルの役員報酬を得ていたという。
これらの報道後、TCUは4日、ギマリャンエス氏に対して捜査を行うことを明らかにした。これは会計検察から依頼を受けた結果だ。TCUはギマリャンエス氏のセクハラ、パワハラが運営責任違反にあたるとして問題視。社内での影響や、同行の役員たちの関与についても捜査する。
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