7日、下院で予定されていた憲法改正法案「PECカミカゼ」の投票が延期された。参加した下議の少なさによるものだった。7、8日付現地紙、サイトが報じている。
この日の投票延期は、本会議に出席した与党議員の出席数の低さが原因だ。その場にいた下議は427人で、野党側議員が100人以上いた。アルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)は「しくじることはできない」として、投票延期を決めた。
PECを成立させるには、512人いる下院で308の賛成票が必要となるが、この日の出席者での投票では、その数に達するかどうかが微妙だったためだ。投票延期の是非を問う投票は303対91だった。
これは、野党側の作戦によるものと推測されている。カミカゼ法案は412・5億レアルの緊急支出により、福祉政策「アウシリオ・ブラジル」の支給額が毎月400レアルから600レアルにあがる他、ガス代援助、トラック運転手援助、高齢者の公共交通料金無料化支援などを行うというもので、野党側は、大統領選でのボルソナロ大統領の支持率が3〜4%上がると予想している。
緊急投票によってPEC承認は延期されたが、リラ議長は次の投票予定日を11日にすることを決めている。
与党側は今回の延期をさほど気にしていない。それは、この法案が却下される可能性がほとんどないと見ており、承認されるのは「時間の問題」と見ているためだ。