《サンパウロ市》セントロ商業地区で大火災=鎮火するも9棟が倒壊危機

12日も煙が立ち込めていた3月25日街周辺地区(12日付G1サイトの記事の一部)

 【既報関連】10日夜に始まったサンパウロ市セントロでの火災は13日になってやっと鎮火したが、倒壊の危険性のある建物は隣接家屋を含む9軒に増えたと11~13日付現地紙、サイトが報じた。
 出火原因はまだ不明だが、現場周辺は11~13日午前中にかけての道路封鎖で、多くの商店が休業を余儀なくされた。同地区を通るバスは迂回、地下鉄も3月25日街に通じる出口を閉めたため、買い物客以外の人々にも大きな影響が出た。
 火災にあった4軒の建物の内、地階部分から出火したとされる建物や6階建ての建物、教会の三つは11日の内に鎮火したが、教会は講壇だけが残った。
 10階建てのビルでは12日も火の手が収まらず、倒壊の危険性を見極めながらの作業となった。当該ビルでの消火活動は倒壊の危険性が高まった事で12日に一旦中止されたため、再び火の手が盛んになった。
 一度は縮小された封鎖区域は再び拡張され、消火活動の必要と倒壊の危険性の高まりで立入禁止となった建物も9軒となった。
 10階建てのビルでの消火活動は13日も続けられ、午前中には火の手は収まったので冷やす作業を継続との報告がなされた。
 3月25日街とその周辺はサンパウロ市でも有数の商業地区で、今回の火災は同地区の商店主や従業員、買い物客達にも多大な被害や影響をもたらした。
 火災によって焼失、損壊した店舗や商用スペースだけで300、立ち入り禁止区域には約2800軒の店舗があるからだ。立ち入り禁止区域の店主の一人は「二つの店が営業不能となり、110人の従業員も手をこまねいているしかない。商売上がったりだ」とぼやき、「普段は20件/日の納品があるが、今日は6~7件」という卸売業者もいた。
 セー区役所の担当者から10階建ての建物はいつ崩れても不思議がないと聞いたリカルド・ヌネス市長は12日の内に、被災物件の早期取り壊しを要請する意向を表明した。

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