ルーラ元大統領(労働者党・PT)は13日、ロドリゴ・パシェコ上院議長(社会自由党・PSD)らと会食を行い、「一次投票で当選することがクーデター回避への最善の道」とし、第3勢力に協力を求めた。13、14日付現地紙、サイトが報じている。
ルーラ氏は12日からブラジリアに滞在しており、13日にパシェコ議長の自宅で会食を行った。昼食会には、ウンベルト・コスタ、ジャン・ポール・プラテス、パウロ・ロシャといったPT上議の他、ランドルフ・ロドリゲス上議(レデ)、アレッシャンドレ・シルヴェイラ上議(PSD)、レジナウド・ロペス下議(PT)らも参加した。
この会合は、ルーラ氏がパシェコ氏に大統領選が公正に行われるための手助けを求めたことで開かれた。今回の大統領選では、ボルソナロ氏が繰り返し、選挙の集計方式に対する疑問を唱え、軍も選挙高裁に選挙の監視を求め続けるなど、前代未聞の行為を繰り返しており、「クーデターが起きかねない」と不安がる人が多い。ルーラ氏はパシェコ氏にも毅然として民主主義を主張するよう求めていたという。
ルーラ氏はこの席で、ボルソナロ大統領派のアルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)を「歴史上、あそこまで野党を切り捨てる独裁体質の下院議長を見たことがない」とも酷評している。
こうしたことを踏まえ、ルーラ氏は「私が一次投票で勝つことがクーデター回避の最善の道」と主張。「そのためには第3勢力の力が必要」とし、パシェコ氏のPSD党首のジルベルト・カサビ氏、大統領候補のシモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)、さらにルシアーノ・ビヴァール氏(ウニオン)の協力を求めたという。
ルーラ氏はその根拠として、テベテ氏のMDBの内部には自分の支持者が少なからずいること、ビヴァール氏に関しては、同氏が以前党首だった社会自由党(PSL)時代にボルソナロ氏と決裂したことをあげている。