【既報関連】パラナ州フォス・ド・イグアスで起きたPT(労働者党)党員の殺害事件の翌日、大統領次男のエドゥアルド下議が、本物そっくりの連発銃と弾丸で飾り付けた誕生ケーキで38歳の誕生日を祝い、1歳の娘にローソクを吹き消させている映像などが流れた。
ボルソナロ大統領の支持者によるPT党員殺害事件発生は9日深夜で、10日には大々的に報じられた上、ボルソナロ大統領が銃の使用を焚きつけるかの行動を繰り返してきた事が背景にあるのではないかとして、大統領の責任を問う声まででている。
だが、大統領選を前にして起きた事件で治安への不安が高まる中で、銃の所持やその使用に全面的に賛同しているエドゥアルド氏が10日、銃や銃弾を入れた箱に見立てた誕生ケーキで誕生日を祝った上、その動画を流した事は、同事件の関係者や治安の悪化を懸念する人々の神経を逆撫でした。
同氏の妻があげたとされる動画には、ケーキの周りに置かれた、長身銃の銃弾装着部を模したと見られる飾りの一部も写っている。
エドゥアルド氏の誕生ケーキは特注品で、PT党員殺害事件以前に注文されていた可能性が高い。だが、少なくとも、PT党員は50歳の誕生パーティの最中に「ボルソナロ参上」と叫んで侵入してきた大統領支持者によって殺害された。
その事を知る人達や銃を使った事件の増加を案ずる人達は、誕生ケーキや年端も行かぬ娘にローソクを吹き消させている姿、銃を使った殺害事件の直後に写真や動画が流された事実、ボルソナロ大統領が遺族への慰めの言葉を発する事もせず、自らの支持者でもある被害者の兄弟をブラジリアに招いた事などに眉をひそめているようだ。
PT党員殺害事件の捜査報告書は14日の時点でまとまり、政治的な意図によるものという見解は否定した。
だが、ボルソナロ大統領らの言動がPT党員殺害事件に影響を与えた可能性についても捜査する事を求める声は続いており、最高裁が検察庁に、ボルソナロ氏に対する捜査の是非についての意見書の提出を命じている。