ブラジル日本都道府県人会連合会(市川利雄会長)主催の「第23回日本祭り」が15日から17日までの3日間、サンパウロ市ジャバクアラ区のサンパウロ・エキスポ・エキシビション&コンベンション・センター(Rodovia dos Imigrantes, km 1,5)で開催されている。コロナ禍明け3年ぶりの開催。初日の15日は郷土食広場、企業ブースや各種物販店など出展者が早朝から準備に奔走。晴天にも恵まれ、昼前には各県人会及び福祉団体出店の郷土食を目当てに続々と来場者が訪れ、早くも賑わいを見せていた。
汎アマゾニア日伯協会は、生田勇治会長が訪日しているため、国宗アジナウド第1財務理事が会長代理として、パラー州ベレンから総勢10人を引き連れて参加。伊藤真美事務局長によると、同協会ブースでは、クプアスーなど熱帯果樹入りのチョコボンボンをはじめ、バナナ・フリッタ、アサイーの粉、コショウ(粉と粒)のほか、CAMTA(トメアスー総合農業協同組合)から委託された「SORBET」と呼ばれる熱帯果樹のアイスクリームを販売するという。「3年ぶりの日本祭りを皆で楽しみたいと思います。珍しい商品もありますので、どうぞ来てください」と呼びかけた。
岩手県人会では、多田マウロ会長自ら準備を率先して行い、今年は目標として恒例の三陸わかめうどんを1千食、マンジョカ入りコロッケ2800個、ギョーザ(5個入り)を900セット販売する。会場で若手の動きを見守っていた千田曠暁前会長は、開催前日の14日にリベルダーデ区の県人会館でうどん出汁作りの準備を行ったとしながらも、「任せるところは若い人に任せないと」と裏方役に徹していた。
今回が初出展の学校法人ニッポンアカデミーは、日本に留学するブラジル人を募集するため、ブース内に大型テレビを設置してプロモーション活動を行う。今年4月に来伯し、群馬県人会館を拠点に活動を行っている川端眞理ブラジル中南米室長は、「今、事務所をつくっているところで、あと2カ月後には完成する予定です。興味のある方に来てほしい」と話した。
2019年に続いて今回が2回目の出展となったのは、静岡県磐田市に本社があり、システムキッチンなど住宅の高級内装設備品を取り扱うフォレスト株式会社。日系2世の沖野宏施氏と上野直人氏が共同経営者として30年前に設立し、サンパウロ市には7年ほど前から事務所を構えているという。同社ブースでは今回、トイレの温水洗浄便座の宣伝活動を実施。磐田市から来伯した岡本登幸常務取締役は「日本とブラジルを結び、ブラジルでの快適な生活を提供したい」と思いを語った。
同祭の谷口ジョゼー実行委員長によると、16日(土)は、入場者予定数が当初より増加することが見込まれるため、数日前に急きょ、舞台奥のスペース(五千平米)を借りることを決めたという。椅子800脚、テーブル200台(4人掛け)分を準備し、来場者の食事時に利用してもらう考えだ。
谷口実行委員長は「この2年間、何もできなかったので、『ようやく(この場に)来た』という感じです。ボランティアと役員の皆さんが一丸となって手伝っていただき、準備万端です。あとはお客さんのご来場を待つだけ」と感慨深げな様子で同祭に臨んでいた。