ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)主催の「第23回日本祭り」が15~17日、サンパウロ市ジャバクアラ区のサンパウロ・エキスポ・エキシビション&コンベンション・センターで行われた。会場には「高齢者の広場」が設けられ、無料血圧測定、マッサージ、茶の無料サービス、立体パズルや将棋など頭の体操コーナーが実施された。「高齢者の広場」周辺では書道、絵手紙、漫画などのワークショップのブースがあり、主に非日系人の来場者で溢れていた。
書道ブースで色付き水墨画を描いていたのは、コロナ禍で夫人と長男を亡くしたという小林月仙(げつせん)さん(87歳、茨城県出身)。今年6月から茨城県人会での書道教室(毎月第3土曜日)を再開し、「ブラジル人は墨絵でも色が付いたのを好むから」と言いながら、熱心に筆を動かしていた。
また、同ブースで非日系人の書道を見守っていた指導者の山本郁香(あやか)さん(81歳、熊本県出身)は「(書道)指導者のほとんどは80歳を超えているので、若い人に継いでもらえるようにしていきたい」と語った。
サンパウロ絵手紙友の会(石井惠子(けいこ)会長)のブースでは、生徒の作品展示とともに、日本絵手紙協会の公認講師である峯譽(みね・たかし)さんから送られた幅9メートルにも及ぶ「鳥獣戯画」の模写絵がブース内の壁に貼られていた。
石井会長によると、パンデミックで中断されていた絵手紙教室は石川県人会で昨年9月から、熟年クラブ連合会で同11月からそれぞれ再開した。石井会長は「久しぶりに会った生徒さんたちと楽しみながら活動しています」と笑顔を見せていた。
サンパウロ日伯援護協会(援協)のブースでは、チェックアップ(人間ドック)の必要性の講演などが行われ、来場客が熱心に耳を傾けていた。
洲崎順(すざき・じゅん)副会長によると、以前の日本祭りでは援協の事業案内などパンフレットを入れた袋を配布していたが、今回はより参加型の広報活動を展開。「事前に整理券を配り、時間を区切って講演に参加してもらうことで、3人の人に無料で援協のチェックアップを体験してもらえるようにした。JICAの助成金のお陰で新しい設備と医療機器が導入され、利用者にも喜んでもらえると思う」と話していた。
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第23回日本祭りのサンパウロ絵手紙友の会のブースで15日、同祭スポンサーの一つであるトヨタ自動車の名前が入った広告をブース内の壁に貼るか貼らないかでひと悶着あったことが同会関係者の話で分かった。
友の会の女性メンバーたちが作品展示準備のため、ブース内の壁にも作品群を貼り終ったところ、トヨタ関係者が同ブースを訪問。「広告を貼るから、作品を剥がしてくれ」と言ってきたという。
友の会メンバーは「広告を貼るのなら前もって言ってくれればいいものを、急に言ってきた(トヨタ関係者の)横暴な態度が頭にきました」とし、広告の貼付(ちょうふ)を断固として拒否。
すったもんだの末、トヨタ側が折れた形で、結局は同ブースには広告を貼らなかったとか。トヨタ側というよりは、友の会メンバーに事前に事情を説明しなかった県連側の落ち度ともいえそうだ。日本祭りの現場での手違いは過去にも往々にしてあったが、何事も事前の連絡と確認が必要なのでは。コロニアの女性たちを怒らせると、コワイですぞ。