【既報関連】ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)主催の「第23回日本祭り」が15~17日、サンパウロ市ジャバクアラ区のサンパウロ・エキスポ・エキシビション&コンベンション・センターで行われた。2015年から毎年参加している日本政府の出展区画は、会場入ってすぐ左側の目立つ場所にあり、それぞれのブースには終日、黒山の人だかりができていた。
日本国農水省は「ブラジルの日常に合わせて日本産品や日本食を楽しんでもらう」をテーマに、当地で調達可能な日本産食材やそれらを使った料理の紹介を行った。
同省輸出・国際局国際地域課から出張で来ていた国際専門職の中野直樹さんに聞くと「3日とも満席で立ち見が出るぐらいだった。特に非日系人の日本食への関心が非常に高い、期待以上という感触」とうなずいた。
中野さんは、3月まで在サンパウロ総領事館経済班に4年間勤務していた。「3カ月でまたサンパウロに出張とは」と驚いていた。
日本国文科省の日本留学海外拠点連携推進事業「Study in Japan」ブースでは、筑波大学国際局国際室の矢内理恵子係長や留学生OBらが、日本留学希望の若い日系人やブラジル人らに日本留学に関する説明を行っていた。同推進事業では新事務所をサンパウロ市ビラ・クレメンチノ区のサンタクルス学術研究所(IPESC)内に開設したばかり。事務所はサンパウロ総合大学内にもあり、連携しながら日本の大学への留学情報を発信している。
矢内係長は「コロナで2年間留学がストップしていましたが、6月から再開しました。日本留学に興味を持つ若い人がたくさんこのブースを訪れてくれています。手伝ってくれているOBの存在が心強い」と語った。
日本政府観光局(JNTO)は日本の観光情報を発信。同局ニューヨーク事務所の山田道昭所長は「思った以上に、日本の観光地に関するいろいろな問い合わせを受けています」と手ごたえを感じている様子。ジャパンハウス・サンパウロによるイベントの成果か、瀬戸内地方に関する質問が多いそうだ。
「熊野古道やお遍路などへの関心の高まりを感じた。ポルトガル語サイトなどを通じてアピールしていきたい」とも述べ、観光ビザの本格的な解禁が待たれている。
国際交流基金サンパウロ文化センターは星と音楽と日伯友好をテーマにしたVR型映像プログラム「空の橋~Sky Bridge~」の上演を行い、連日長蛇の列ができていた。
「VR」とはヴァーチャル・リアリティ(仮想現実)の略語。機器を装着することで視覚いっぱいに仮想空間の映像が広がり、実際にそこにいるような感覚を味わうことができる新技術。15分余りの映像を10人ずつが見られるようになっており、3日間で1千人以上が体験した。
笹尾岳副所長は「1時間待ちの行列を作っていただいて申し訳ない。他の州の日本イベントからもお呼びがかかっており、8月からはバイーア州など全伯各地を毎週回る予定です」と今後の活動への意欲を語った。