《ブラジル》ダマレスがDFからの上議選出馬を断念=ボルソナロの横槍で決定覆る

ダマレス氏(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)

 ダマレス・アウヴェス前人権相(共和者・RP)が、連邦直轄区(DF)からの上議選出馬を断念することになった。その背後にはボルソナロ大統領(自由党・PL)の介入があった。19、20日付現地紙、サイトが報じている。
 ボルソナロ政権の中でも知名度の高かったダマレス氏は3月限りで同相を退き、上議選を目指していた。同氏は現職のイバネイス・ロシャ知事(民主運動・MDB)とシャッパ(連立名簿)を組んで、上議選に出馬すると先週、記者会見で発表したばかりだった。
 だが、これを聞いたボルソナロ氏が慌ててイバネイス氏の元に駆け込み、調整を行った結果、ボルソナロ政権で大統領府総務室長官を務めたフラヴィア・アルーダ氏(PL)が上議候補として出馬することになった。
 イバネイス氏とフラヴィア氏のシャッパの話はもともとあったものだが、フラヴィア氏の夫のジョゼ・ロベルト・アルーダ氏(PL)が知事選出馬の意欲を見せる発言を行って、話が頓挫した。
 アルーダ氏は2007年から連邦直轄区の知事を務めていたが、「DFのメンサロン」と呼ばれた贈収賄工作事件に関与した疑いが持たれ、10年4月に停職。再選も断念し、被選挙権も失っていたが、今月6日の高等裁の判断で被選挙権が回復していた。
 アルーダ氏の言動に腹を立てたイバネイス氏は、ダマレス氏を上議候補にすると決めたが、これを寝耳に水と驚いたボルソナロ氏がイバネイス氏をなだめ、アルーダ氏の知事選出馬をとどめた上でフラヴィア氏を上議候補に改めた。
 ダマレス氏は福音派牧師から人権・女性・家庭相に抜擢されて話題となり、ボルソナロ政権では数少ない女性閣僚として知名度が高まった。その一方で、2019年1月に就任早々、「これからは、男の子は青い服、女の子はピンクの服を着る時代になる」と発言。性の多様性を扱う省庁の長として適任か否かで物議も醸した。

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