同郷者140人で親交深め=第40回サラプイ友の会

乾杯する参加者
乾杯する参加者

 サンパウロ州ピエダーデ市のサラプイ村出身者が集う「第40回サラプイ友の会」が3日、イタペセリカ・ダ・セーラ市のグランデ・サンパウロ・マレットゴルフ場で開かれた。当日は快晴に恵まれ、同村出身者や家族・知人ら約140人が一堂に会し、発起人の大迫実(おおさこ・みのる)さん(75歳、2世)は、「今日は桜の花を見て、マレットゴルフなどしながら楽しく過ごしましょう」と呼びかけた。

 サラプイ村は野菜の生産地として、1950年代頃から戦後移民が数多く入植し、多い時で約150家族の日本人が同村に住んでいたという。
 サンパウロ市地下鉄プラサ・ダ・アルボレ駅近くに住む西村政美さん(78歳、鹿児島県出身)は、パラグアイのペドロファン・カバレロを経て家族とともに同村に59年に転住。同地でトマト作りなどの手伝いをして13年を過ごし、結婚を機にサンパウロ市に出て洗染(せんせん)業、物品販売業などを行ってきた。
 友の会はサンパウロ市などに出て暮らすようになった西村さんらサラプイ村出身者が集まり、1983年に第1回目を開催。その後、毎年1月の最終日曜日に開いてきたが、ここ2年はコロナ禍で中止となっていた。

久々の再会を楽しむ参加者
久々の再会を楽しむ参加者

 この日の司会役を務めた大迫実さんの兄・大迫保信(やすのぶ)さん(76歳、2世)は現在、ピエダーデ市内に住むが、サラプイ村時代は日本人会で日本語教師を務めたほか、柔道の指導も行ってきた。サラプイ時代から続けているアルカショフラ(朝鮮アザミ)作りは60年にも及ぶという。「(友の会を)40年間続けるのは大変だったが、今後も皆さんの協力しだいで続けることができると思う」と話す。
 サンパウロ州バストスから参加した池田ルイザさん(78歳、2世)は、60年代初頭から4、5年サラプイ村に住み、当時の青年会活動にも参加したことを覚えていた。
 6年前からマレットゴルフをしているという東郷成子(とうごう・なりこ)さん(73歳、宮崎県出身)は、「友の会で知っている人も少なくなりましたが、ここ(グランデ・サンパウロ・マレットゴルフ場)には健康のために毎週のように来ています。空気は良いし、友達もできるし」と笑顔を見せていた。
 午前11時半には大迫実さんの司会で開会式が行われ、先亡者への黙とうに続いて前述の西村さん、大迫保信さんらが挨拶した。
 サラプイ村で8年ほど日本語教師をしていた高野キミ子さん(76歳、熊本県出身)は「この会もあと何年続くか分かりませんが、皆さんと会えるのは本当に嬉しい」と話した。
 大迫実さんの叔父に当たり、同マレットゴルフ場の土地を提供した田畑稔さん(90歳、鹿児島出身)は、「サラプイ村にはたくさんの友人がおり、今日は天気にも恵まれ、たくさんの人々に来てもらって嬉しい」と歓迎の気持ちを表した。
 第1回友の会から参加している福永達郎さん(78歳、鹿児島県出身)が乾杯の音頭を取り、持ち寄りの昼食の後、カラオケやビンゴ、ミニ運動会なども行われ、参加した人々は久々の再会で旧交を温めていた。

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