22日、ルーラ元大統領や最高裁判事を殺すと脅していた、ボルソナロ大統領派のインフルエンサー(ネット上で影響力のある人物)が22日、最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事の命令で逮捕された。22、3日付現地紙、サイトが報じている。
ミナス・ジェライス州の連邦警察が逮捕したのはイヴァン・レジャーネ・フォンテ・ビア・ピント容疑者(46)だ。逮捕令状は連警の要請で出されており、同容疑者が所有している銃や銃弾、コンピューターや携帯電話などの押収と、同容疑者が所有する全てのSNSのアカウントの停止も命じられた。
同容疑者は「麻薬常用者の更生専門家」と自称しているが、7500人のフォロワーを擁するユーチューバー「パポ・レト」として知られている。同容疑者は、ルーラ元大統領や労働者党(PT)のグレイシ・ホフマン党首、リオ州知事選候補のマルセロ・フレイショ下議(ブラジル社会党・PSB)といった左派政治家や、モラエス判事を含む多くの最高裁判事に対し、殺害をほのめかす発言を行っていた。
ピント容疑者はこれ以前にも、傷害や、自身の更生プログラムに参加している麻薬常用者に賞味期限切れの食品を与えたなどの容疑を持たれていた。
同容疑者は熱心なボルソナ統領支持者で、2020年にはベロ・オリゾンテ市議選にも出馬したが、189票しか得られず落選している。
この逮捕は、8月中旬から選挙高裁長官も兼ねることになるモラエス判事が「投票システムに対する不信感表明でも逮捕がありうる」とした選挙違反対策の発表直後に行われた。
今年は既に、ルーラ氏に対するドローンによる殺虫剤散布や爆弾騒ぎが発生するなど、選挙絡みの暴力や殺害事件の増加が報じられている。ボルソナロ大統領は24日も、独立記念日の9月7日に最高裁に対する全国的なデモをと煽っており、暴力行為の加速が懸念されている。