ボルソナロ政権が大統領選前の切り札としたい社会福祉政策「アウシリオ・ブラジル」の月額600レアル支給が来月9日からはじまることが正式に決まった。25、26日付現地紙、サイトが報じている。
25日付連邦政府官報で発表されて詳細が明らかになった。それによると、400レアルから600レアルに引き上げた生活扶助の支払いは8月9日からはじまる。
支払い日は社会身分証明番号(NIS)の末尾番号で決められており、1番は9日、2番は10日、3番は11日、4番は12日、5番は15日、6番は16日、7番は17日、8番は18日、9番は19日、0番は22日となっている。
また、トラック運転手を対象とした「アウシリオ・カミニョネイロ」も同じく8月9日からスタートする。こちらは課金カードを手渡す仕組みとなっており、月額1千レアルが支払われることになっているが、8月は7月分も支払われることになっており、2千レアルが振り込まれる。
タクシー運転手へのアウシリオも8月16日から始まり、1千レアルで6回払い出される。こちらも8月は2回分が支払われる。
これらのアウシリオは、6〜7月に上院、下院で承認された「PEC(憲法改正法案)カミカゼ」または「善意のPEC」と呼ばれる法案で定められた。ガス代の支援金増額や高齢者の公共交通料金の無料化支援などを含めた同法案は、大統領選挙を目前に控えたボルソナロ氏にとり、支持率1位のルーラ元大統領との差を詰めるための切り札と目されている。
PECカミカゼ法案による対策の有効期限は22年いっぱいで、アウシリオ・ブラジルも12月までは最低月額600レアルが保証される。ボルソナロ氏は「来年以降も継続」と語っているが、国庫庁関係者は、予算案との関係で「2023年になれば400レアルに下がることになるだろう」との見解を25日に表明している。