《ブラジル》新型コロナ第4波に沈静化の兆し=5歳以下の死者は5人に2人相当だが

新型コロナ感染症の感染者と死者の週毎の推移(全国保健局長審議会公式サイトより)

 【既報関連】オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が25日、2020年3月以降の新型コロナ感染症(Covid―19)による6カ月~3歳児の死者は539人で、予防接種がある14種の病気による10年間の死者の3倍以上だったと発表したと同日付現地サイトが報じた。
 予防接種がある14種の病気は結核2種と破傷風2種、ジフテリア、ポリオ、麻疹(はしか)、ワープ咳、風疹、おたふく風邪、先天性風疹、B型肝炎、先天性ウイルス性肝炎、髄膜炎菌性髄膜炎B型。2012~21年にはこれで6カ月~3歳児が144人死亡。これは、2年間にCovidで死亡した539人の27%弱で、1994年に根絶宣言が出たポリオなどは10年間死者が出ていない。
 同財団によると、Covidで死亡した子供はパンデミック下の2年間の5歳以下の子供の死者の5人に2人に相当。Covidの予防接種は5歳以上対象で、13日に国家衛生監督庁(Anvisa)が認めた3~5歳児へのコロナバック適用はまだ、国家予防接種計画の対象外だ。
 これらの事実とブラジル全体のCovidの感染状況を重ねると、予防接種効果は明白だ。
 感染第1波の2020年5月は隠れ患者が多かった事もあり、Covidの致死率は7%(感染者の7%が死亡)に上っていた。
 第2波の2021年3月は月間感染者が22万人弱に急増。感染者急増と医療体制逼迫で4月の死者は8万2266人に達したが、1月の予防接種開始などで致死率は2・5%が2・8%に上るにとどまった。初回の補強接種が進み始めた12月後半の死者の7日間平均は2桁になった。
 オミクロン株の第3波では感染者の7日間平均が最大で19万人弱に達したが、5歳以上への接種拡大や2度目の補強接種開始で死者の平均は最大で951人、致死率は2・3%にとどまった。
 第4波の感染者の7日間平均は6月25~7月21日こそ5万人台(最大時は5万8826人)だったが、2度目の補強接種進捗や子供の接種完了者増などで、22日以降は4万人台、26日からは3万人台に低下。死者の平均は6月28日から200人台が続いているが、致死率は2・0%に低下している。

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