欧州サッカーは現在オフシーズン。欧州各クラブは移籍交渉の大事な時期を迎えている。今年の移籍交渉では、キャリアピークとなりそうな大物ブラジル人選手らが大きな注目を集めている。
まずは英国プレミアリーグ、マンチェスター・シティからアーセナルに移籍したガブリエル・ジェズス。彼は2018年W杯に21歳でセンターフォワードのレギュラーとして出場するも無得点で終わった苦い経験を持つ。
ジェズスはW杯後、当時プレミアリーグ最強チームだったマンチェスター・シティに入団した。しかし、他の有能な選手たちとの間でローテーション起用され、抜きんでた活躍をするには至らなかった。
自身の起用のされ方に疑問を持ったジェズスは、ロンドン最大人気の老舗チーム、アーセナルへの移籍を決意。早速、練習試合で活躍し、チームの大黒柱となる雰囲気を漂わせている。
ジェズスは、ネイマール不在の2019年のコパ・アメリカなど「試合を任されれば伸び伸びとプレーをする」傾向があった。アーセナルの攻撃陣は若く、25歳のジェズスは最年長者としてチームを引っ張っている。ようやく自分に合うスタイルを見つけ、覚醒しはじめた感じだ。
続いては「ラフィーニャ」ことラファエウ・ジアス・ベローリ。彼は、プレミアリーグの下位チーム、リーズからスペインの名門バルセロナへ大抜擢移籍を果たした。
ラフィーニャは、10代の頃からブラジルでスターだったジェズスとは対照的に、無名選手のままフランスのサッカーリーグで活躍。2020年にリーズに移籍し、右ウイングから司令塔とストライカーの役割をこなす獅子奮迅の活躍を見せ、ブラジル代表(セレソン)に大抜擢された。W杯南米予選でも活躍し、一気にレギュラーを獲得。チッチ監督のお気に入りとなった。
最後の一人が、リシャルリソン・デ・アンドラーデ。彼も英国プレミアリーグのエヴァートンから強豪トッテナムへの移籍が決まった。
リシャルリソンは、2019、20年シーズンの活躍でセレソンに選ばれ、昨年夏の東京五輪ではチームリーダーとして金メダル獲得に貢献。その直後には期待されたような大型移籍話はなく、21、22年シーズンでは今ひとつの活躍だった。だが、ウイングもセンターフォワードもこなせる器用さに加え、政治や社会問題に対して意見を持つサッカー界きっての論客という真面目な人間性が高く評価され、将来のセレソンのリーダーとなることを期待されている。
彼らは皆25歳。欧州リーグで成長し、今年が最後のW杯出場と囁かれているネイマールと化学反応を起こせば、W杯優勝も夢ではないだろう。(陽)