28日に発表された大統領選に関するダッタフォーリャの支持率調査によると、ルーラ元大統領(労働者党・PT)が47%で、依然として一次投票での勝利圏内にあることがわかった。ボルソナロ大統領(自由党・PL)の支持率は微増にとどまり、憲法補則法案(PEC)カミカゼの効果はまだ表れていない。28、29日付現地紙、サイトが報じている。
今回の調査は27〜28日に全国183市の2556人を対象に行われたもので、ルーラ氏は6月22〜23日の時と同じ47%の支持を獲得。候補者の票を全て足した有効票では52%で、一次投票で勝ちうる。ダッタフォーリャの場合、一次での勝利見込みは5月以来、3回連続だ。
対するボルソナロ氏は前回から1%ポイント増の29%だった。この間には、社会保障「アウシリオ・ブラジル」の最低支給額の400レアルから600レアルへの引き上げやトラック運転手に対するアウシリオなどの優遇策を含む「PECカミカゼ」が連邦議会で承認されているが、まだ効果は表れていない。
ボルソナロ政権への評価も、「良い」が26%から28%に上り、「悪い」が47%から45%に下がるなど、多少改善したが、大きな変化は起きていない。支給のはじまる8月以降の動きが注目される。
3位はシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)が前回同様8%。4位はシモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)で、支持率を1%から2%に上げた。逆にアンドレ・ジャノーネス氏(アバンテ)は2%から1%に下がって5位に後退した。パブロ・マルサル氏(社会秩序共和党・PROS)、ヴェラ・ルシア氏(社会労働者連合党・PSTU)も1%台で続いている。
ダッタフォーリャの調査結果は3回続けて数字の変化がほとんどなく、誤差の範囲内の動きで終わっている。ダッタフォーリャはその理由を、今回の選挙では有権者が誰に投票するかを早めに決めているため、と説明している。今回の調査では71%が既に投票する候補を決めているという結果も出ている。
それがルーラ氏、ボルソナロ氏の支持者では共に79%とさらに高い。この2人だけで全体の76%を占めている。
一方、シロ・ゴメス氏の支持者の65%とテベテ氏の支持者の59%は「まだ票を替えうる」と答えており、今後数字が動くとすれば、この層がカギを握りそうだ。
また、「アウシリオ・ブラジル」の受給者で投票する候補者を決めた人は69%で、残る31%は票を替える可能性がある。その一方で、ボルソナロ氏が強いとされる高所得者層の間でルーラ氏との差が詰まっているという結果も出ている。
この結果に対し、州知事選でルーラ、ボルソナロの両陣営に協力する社会民主党(PSD)のジルベルト・カサビ党首は、「キャンペーンでよほど頑張らない限り、ボルソナロ氏の逆転はないだろう」とし、ボルソナロ氏が出ないと宣言しているテレビの候補者討論会に参加しないと致命傷になりかねないとの見方を示している。