《サンパウロ市》路上生活の未成年者3759人に=15年ぶりの調査で倍増判明

サンパウロ市内の路上生活児の一例(Adobe Stock)

 サンパウロ市社会開発局が7月30日、5月に行った路上生活の子供や青少年に関する調査により、17歳以下の路上生活者は3759人で、前回調査(2007年)以来、倍増したと発表したと7月31日~8月3日付現地サイトが報じた。
 17歳以下の路上生活者が多いのはレプブリカやセー、サンタセシリア、タトゥアペ、ピニェイロスで、5地区だけで23%に達した。路上が生き延びるための場所は73%、夜は路上で眠るが10%、路上生活者の収容施設で眠るは16%だった。60%は男で、12~17歳が42%に上るが、6歳未満児も1151人(30・6%)いた。70%は黒人か褐色(パルド)だという。
 アリエル・ダ・カストロ・アルヴェス・ブラジル弁護士会(OAB)会長は、「路上生活の未成年者は酒や麻薬、組織犯罪といった危険因子に直面しており、事故や暴力、性的搾取や児童労働での搾取、死の危険にさらされている」「教育の機会や家庭の喪失、家庭内暴力などが招いた深刻な社会的悲劇」と警鐘を鳴らした。
 これらの未成年者は保護者がいない事が多く、保護者がいても、児童労働を強要し、虐待する例もあるとし、「社会福祉費削減や社会サービスの枠や機会の縮小、社会計画停止などの社会的保護活動の欠損による悲劇」とも述べた。
 路上生活の未成年者増は極貧世帯増の証拠でもある。4月に連邦政府の社会保障プログラムの適用を受けるための統一登録システムに登録されていたサンパウロ市の極貧家庭は65万4103世帯で、1月の61万9869世帯より5・52%増えた。1月は昨年同月より30・82%増えたが、増加は続いている。
 極貧家庭最多はMボイ・ミリンの4万2860世帯で、カペラ・デ・ソコーロ4万1111世帯、シダーデ・アデマル3万9732世帯と続く。最少はピニェイロスの2147世帯で、ヴィラ・マリアナ3201世帯、ラッパ5297世帯と続く。
 世界銀行の基準での極貧家庭は1人あたりの世帯収入が1日あたり1・90ドル以下、または月に274・50レアルの家庭を指すが、統一登録システムでの極貧家庭は1人あたりの月収が105レアルとなっている。

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