国家配給公社(Conab)が、今年の国民1人あたりの牛肉消費量は26年間で最少の24・8キロ/人となる見込みだと発表したと1日付現地サイトが報じた。
この数字は国内の生産量と輸出量、輸入量を基に計算されたもので、1996年に試算し始めて以来で最少となると見られている。
牛肉の消費量は減少傾向にあり、昨年5月にも過去25年間で最少との見通しが報じられた。この時は2019年の30・6キロ/人と比べて14%減の26・4キロ/人との見通しだったが、実際は27・8キロ程度で終わったようだ。
この数字が確定すれば2020年の27・7キロより微増した事になるが、今年の見通しは20~21年の見通しをさらに下回った。
ブラジルの牛肉消費量は2006年に42・8キロ/人を記録後、輸出増などでやや落ち込んだが、2012年35・9キロ、13年38・3キロ、14年35・3キロのように、19年までは30キロ以上を維持していた。
だが、中国への輸出増や新型コロナのパンデミックに伴う失業者増、所得減、高インフレなどで、牛肉消費量はさらに減少。ここ2年間の牛肉価格はインフレ率の倍の勢いで上昇している。
購買力低下や高インフレで食の安全が脅かされている人が6130万人いる事や食習慣の変化、環境への配慮などで、牛肉の消費量減少は今後も続く見込みだ。
なお、パンデミック下ではより廉価な鶏肉や卵の消費が増えている事もあり、豚や鶏を含む食肉生産量は2800万トンに及ぶ見込みだが、牛肉の生産量は20年間で最少の811・5万トンにとどまる見込みだ。
輸出量に関しては、鶏肉が6%増の470万トンで新記録を更新する他、牛肉も15%増の284万トンに達すると見られている。
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