《ブラジル》柔術世界王者レアンドロ・ロが死亡=ナイトクラブで非番軍警が発砲

レアンドロ・ロ(公式インスタグラム)

 ブラジリアン柔術の世界王者レアンドロ・ロ(33)が7日、サンパウロ市でのコンサート会場で非番の軍警に頭を撃たれて死亡した。7、8日付現地紙、サイトが報じている。
 レアンドロは6日の夜、サンパウロ市南部インジアノーポリスにある複合施設「クルーベ・シリオ」でのパゴッジ(サンバの一種)のショーを観に行っていた。
 事件が起こったのは7日の午前2時頃。発端はレアンドロらが座っていた席に、若い男が口論をふっかけたことにあった。男がテーブルの上の瓶を手に取ったため、レアンドロがその男の動きを制止した。このときは周囲が間に入り、収まったかに見えた。
 その場をいったん離れた男は、再び戻っていきなり腰の銃を抜き、至近距離からレアンドロの頭部に発砲した。倒れたレアンドロに男は蹴りを2度入れた後、逃げ去った。
 この際、ショーのために大きな音が鳴らされており、現場では発砲に気づいた人は少なかったという。レアンドロはジャバクアラのアルトゥール・サボイア市立救急病院に運ばれたが、既に脳死状態で、その後、正式に死亡が宣告された。
 この事件は7日朝、母親のファッチマさんがSNSで知らせたことで広がった。レアンドロは柔術界では超大物で、世界選手権8度、W杯5度、パン・アメリカン杯で8度の優勝を飾っていた。今年もカリフォルニアで行われた世界選手権で優勝したばかりで、ファンからは突然の死を悲しむ声が相次いだ。
 市警は事件後、軍警のエンリケ・オタヴィオ・オリヴェイラ・ヴェローゾ氏(30)を容疑者と断定。同容疑者は7日午後、警察に出頭した。同容疑者は30日間の一時逮捕となり、軍警刑務所に収監されている。
 同容疑者は2017年にもナイトクラブで警官を襲撃した前科があり、9カ月(外出許可あり)の実刑判決を受けていた。同容疑者は柔術の心得があり、母ファッチマさんも、容疑者はレアンドロとは既に顔見知りだったと証言している。レアンドロの葬儀と埋葬は8日に行われた。

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