《ブラジル》アウシリオ600レアル等支払い開始=選挙直前、貧窮層向け支援

アウシリオ・ブラジルのアプリ(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 7月に連邦議会が承認した憲法補則法案「PECカミカゼ」が定めた600レアルの「アウシリオ・ブラジル」など、諸々の支援金支払いが9日からはじまった。9日付現地紙、サイトが報じている。
 PECカミカゼは、ボルソナロ大統領が選挙運動開始直前の追い込みに利用すべく行った国民への緊急支援策とも言われており、412億レアル規模の資金が投じられる。
 「アウシリオ・ブラジル」の支給額を毎月400レアルから600レアルに引き上げる対策は、そのうちの260億レアルを占めているが、その増額支給が9日支払い分から正式に行われている。
 受給対象者は統一登録システム(CadUni)登録者で、支払いは各自が持つ社会識別番号(NIS)の末尾番号に準じて行われる。9日が1番の人対象で、10日が2番、11日が3番と、土日と祝日を除いて順に払われて行く。22日の0番で8月分の支払いが終わる。
 現状では12月までの支給日程が決待っており、9月は19日、10月は18日、10月は18日、11月は17日、12月は12日が1番で、以下、順次支払われていく。受け取りや確認などは連邦貯蓄銀行(CAIXA)管轄の携帯アプリで行うことが可能だ。
 また、9日からは、ガス代支援の「ヴァーレ・ガス」、トラック運転手支援の「アウシリオ・カミニョネイロス」の支払いもはじまる。前者は13キロのボチジョン(ガスボンベ)を買う目的で2カ月毎に110レアル、後者は毎月1千レアルの支払いとなるが、9日は7月分と8月分を一括する形で2千レアルが支払われる。受け取りはCAIXA管轄のアプリ「CAIXA Tem」で行われる。
 これらの支援策は大統領選の支持率でルーラ氏にリードされているボルソナロ氏が、差を縮めるために行ったものとの見方が強い。アウシリオ・ブラジルやヴァーレ・ガスの受給対象者には同氏の支持率が低い北東部の人が多い。

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