《ブラジル》南部や南東部で風水害=大西洋上のサイクロンで

広範囲で冠水が起きたジョインヴィーレ市(Prefeitura de Joinville/Divulgação)

 【既報関連】大西洋上に生じたサイクロンの影響で、サンタカタリーナ州などでは10日未明以降、風水害が生じ、負傷者も出たと10、11日付現地紙、サイトが報じた。
 被害が最も大きかったのはサンタカタリーナ州で、24時間で約200ミリという強い雨と最大時速111キロという強風を経験。北部海岸やイタジャイ渓谷などの28市で洪水や冠水、土砂崩れとそれに伴う家屋倒壊などが起きた。
 また、時速100キロを超える強風を記録した山間部中心に、看板が倒れたり、屋根が剥がされるなどの被害が報告されている。
 同州内で何らかの風水害が生じた市は10日夜の時点で51とされ、学校が休校となった市や、親族や知人宅に身を寄せている人や避難所に退避する事を余儀なくされる人達も出ている。
 フロリアノポリスやイタジャイ、北部海岸などでは停電も起き、個人・法人を合わせて約20万人の消費者が影響を受けた。同州海岸部や中央部の一部では地滑り(土砂崩れ)のリスクが指摘されており、警戒が必要だ。

土砂崩れで壁が倒壊した家屋(フロリアノポリス、Defesa Civil/Reprodução)

 11日の同州の天候は少し落ち着きを見せているが、サイクロンに伴う強い波が続いたせいか、11日には海岸部が白い泡で覆われるという事態も発生している。
 サイクロンはその後、北上し、11日午前中にはリオ州沖に抜けたが、10~11日には、サンパウロ州やリオ州でも強い風雨による爪痕を残した。
 一例はサンパウロ市で、サイクロン接近で時速75キロの風に見舞われた10日午後、コンゴーニャス空港で開かれていた航空機の展示会場で、金属製の大型パネルが航空機の上に倒れるというアクシデントが起きた。同市では倒木による消防への通報が70件を超え、2人が負傷した。サンパウロ大都市圏でも倒木による通報が200件を超えた。
 サンパウロ州海岸部では高波などの被害が出、11日もフェリーの運行停止や停電などの被害が続いている。
 リオ州でも10日から高波などが報告されている。11日にはリオ市などで、強風で商用・住居ビルの張り出し部分が崩れ、負傷者が出るといった事故も報告されている。

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