ブラジル沖縄県人会ビラ・カロン支部(仲宗根ジョアン支部長)主催の第18回沖縄まつりが6、7日の2日間にわたって、サンパウロ市ビラ・カロン区のハロルド・ダウトロ公園で開催された。新型コロナ感染拡大の影響で、同祭開催は3年ぶり。両日とも曇天で肌寒い天候だったにも関わらず、会場には多くの来場者が詰めかけ、沖縄の文化と芸能、郷土食などを楽しんだ。
会場内の特設舞台では、琉球民謡や琉球舞踊、レキオス芸能同好会や琉球國祭り太鼓によるエイサー太鼓、沖縄空手の演武などが披露された。また、約120店におよぶ出店により、沖縄そば、ヒージャー汁(山羊汁)、サーターアンダギー、タコライスなどの郷土料理も販売され、食事時には各店とも長蛇の列に並ぶ人々で、ごった返した。
さらに、文化スペースでは、名護市や那覇市など沖縄県内16市町村の情報や郷土品等を紹介する「エキスポ沖縄市町村」も開かれ、沖縄文化に関する各種講演や料理のワークショップが来場者の注目を集めていた。
6日午後5時半頃から行われた開会式には、仲宗根支部長、比嘉テツオ実行委員長、高良律正ブラジル沖縄県人会本部会長、西尾ロベルト・ブラジル日本文化福祉協会副会長、税田パウロ清七サンパウロ日伯援護協会会長、日系市議、サンパウロ市関係者らが出席した。
仲宗根支部長は開会あいさつで、コロナ禍により同祭が2年間中止されていたことに言及。今回の沖縄まつりがサンパウロ市や各種スポンサーをはじめ、支部関係者、ボランティアの人々の協力で3年ぶりに再開できたことに感謝の気持ちを表し、「この2日間、皆さんに楽しんでいただきたい」と述べた。
比嘉実行委員長は同祭のテーマが「命(ぬち)どぅ宝(命こそが大切な宝であること)」であると説明し、沖縄文化を紹介することで、次世代に伝統を引き継いでいくことの大切さを強調した。
来賓の祝辞が続いた後、舞台上で「鏡割り」を実施。高良会長の乾杯の音頭で「ビーバ、サウーデ、乾杯」と杯が掲げられた。
2019年以来、2回目の来場だという原国政竹(はらぐに・まさたけ)さん(79、那覇市出身)は、夫人の友人がサンパウロ州アララクアラ方面からサンパウロ市に出てくるというので、同祭会場で久々に会うことになっているという。現在、日本とブラジルを行ったり来たりする生活をしているという原国さんは、「ブラジルはいい国だが、治安が悪い。政治がしっかりせんとね」と率直な気持ちを話した。
サンパウロ市サンマテウス地区に住む島袋安雄さん(78、浦添市出身)は、義兄の仲西盛幸(せいこう)さん(81)と、自身の娘、孫たちと3世代の大家族で参加。「いやー、すごい人ですね」と来場者の多さに驚いた。
ボリビア沖縄県人会長の比嘉徹さん(57、2世)は、「これまでブラジルには10回以上、来ていますが、沖縄まつりに参加するのは初めてです。以前からこのイベントのことを聞いてはいましたが、実際に目の当たりにして、規模の大きさにびっくりしています」と話した。