《ブラジル》新型コロナ第4波の減速明らかに=新規感染者の減少傾向続く

ワクチン接種を受ける子供(Freepik.com)

 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が11日、重症急性呼吸器症候群(SARS、ポルトガル語ではSRAG)の患者が減少傾向にあると発表した。また、SARSの中心の新型コロナの感染者も4週連続で前週比減を記録し、感染第4波の減速化を示している。
 同財団によると、6日までの6週間で見ると、ロライマ州はSARSが増加中で、アマゾナス、アマパー、マラニョン、ピアウイの4州は高止まりだが、それ以外の22の連邦自治体は減少傾向にあるという。
 また、州別で増加中はロライマだけだが、州都ではベレン、ボア・ヴィスタ、レシフェも増えているという。6日までの1週間のSARS患者の79・1%は新型コロナ感染者だった。
 SARSはコロナ禍で急増しているが、新型コロナに限定してみると、最初の感染者確認から900日目となる13日までの1週間(感染学上第32週)は、新規感染者が15万4684人。前週比で21・7%減、死者が1461人で同0・6%増だった。
 新規感染者は7月17~23日(感染学上第29週)以降、4週連続で減っており、7日間平均も、7月16日現在の5万9395人が2万2098人に減少した。また、15日現在の7日間平均は2万351人と減少が続いている。
 死者も感染学上第29週から3週間連続で減っていたが、第32週は0・6%増えた。それでも、7日間平均は7月16日の249人が13日には209人に減り、15日には6月27日以来の200人割れ(198人)となっている。

医薬品不足が続く状況の中で

 ただ、気がかりなのは予防接種の進捗状況で、国家衛生監督庁(Anvisa)が7月13日に認めた3~5歳児へのコロナバックによる予防接種も、ワクチン不足で中断するところが出ていた。
 コロナバックによる3~5歳児向け接種は承認後も国家予防接種計画(PNI)に組み込むのが遅れ、サンパウロ州政府が7月に有効成分の輸入を決めた。だが、保健省がワクチン購入を決めたのは15日で、3~4歳児の初回分のみの100万回分だ。
 新型コロナのワクチン購入遅れは最近続く医薬品不足の一部で、SARS治療に使う抗生物質や画像診断に不可欠な試薬などの不足は数カ月続いている。

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