《ブラジル》ボルソナロがユーチューバーと小競り合い=罵声「おべっか使い」が流行語に

騒動の際のボルソナロ大統領(Twitter)

 ボルソナロ大統領が18日、ブラジリアの大統領官邸前で自身を挑発しながら録画し続けていたユーチューバーの携帯電話を奪おうとして小競り合いになり、ユーチューバーが発した「チュチュッカ・デ・セントロン」が一躍、流行語となった。18、19日付現地紙、サイトが報じている。
 騒動は18日朝、大統領官邸前の門の傍で起きた。大統領は外出しようとしていたが、官邸前で待っていた支持者たちに声をかけるために車を止めて立ち止まり、自撮りにも応じた。ユーチューバーのウィルケル・レオン氏も支持者に混じって近づき、大統領を挑発する言葉を発しながら録画していた。
 大統領を挑発しながら録画しているレオン氏を見たボルソナロ氏の側近らは、やめるように言ったが、彼が聞き入れなかったため、側近らは彼の腕を取り、引き倒した。
 レオン氏は則座に立ち上がると、大統領に向かって「何をするんだ」と叫び、大統領を罵倒しながら録画を継続。大統領が車に乗り込もうとする間も、「ヴァガブンド(怠け者)」「コヴァルジ(意気地なし)」「カナーリャ(恥知らず)」「チュチュッカ・ド・セントロン」と繰り返した。
 この一部始終は別の人物が録画しており、車に乗り込んだ大統領が車を降りてレオン氏に近づき、腕を掴んで携帯電話を奪おうとした場面も映っていた。この録画は拡散されるいなや大受けし、「セントロンの回し者、おべっか使い」を意味する「チュチュッカ~」は同日最大のネット流行語となった。
 ボルソナロ氏が罷免を避けるため、「汚職集団」と批判してきた中道勢力セントロンを与党に組み込み、顔色さえうかがうようになっていることを皮肉った「チュチュッカ」は卑語でもあったため、笑い話のように広がってしまった。
 レオン氏はかねてから大統領支持者の言動をからかうユーチューブ動画を流している。かといって、大統領選でボルソナロ氏と争うルーラ氏の支持者でもなく、ルーラ氏の支持者をからかう動画も公開していた。

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